謙信公祭の陣幕・引両(二本線)デザインの相違に悩む | 江戸手描き友禅「染工房 まいむらさき」のそめいろ日記

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栃木県小山市でそめもの教室の講師をやっています。
染め物のコトや、じんくん(秋田犬)のコト、歴史、芸術、美術、日々の色々を綴っていきます。

染師・まいまい です




依頼主様にお許しを頂きましたので、
詳細は後ほどお伝えする予定ですが
只今、上杉謙信の陣幕制作プロジェクト始動中です




私が幕の文様を染めます


依頼主様のご要望は
「上越市の謙信公祭の幕のイメージで。」


調べてみるとデザインに微妙な違いがありました

「引両・ひきりょう」と思われる二本線の太さが違う

依頼主様にこの事をお伝えしたところ、私に任せてくださいました



ご覧の通りです









どっちで制作すべき?
どっちが正しいの?

と混乱した私





さっそく上杉謙信に詳しい博物館や資料館、Yahoo!知恵袋に質問してみました


貴重なこぼれ話はとても為になりましたが、
決定的な確信を突く回答はいただけませんでした


あ、そっか
当時の実物があれば話が早い
実物が知りたい

謙信公の愛用品がたくさん伝わっている上杉神社に詳しい、
上杉博物館の学芸員さんに問い合わせたところ、
「さすがに陣幕は残っていない。」と残念な結果



(国立博物館に電話すると、受付の方?専門家ではなさそう・・・
シ~ン・・・とへんな間の後、上から目線の口調でたたみかけてくる!
「で・す・か・ら!この内容では受付られない。当館の収蔵品でなければ答えられない。収蔵品の品名は何ですか!?」の一点張り・・・
どうしてだか、怒られた感じ・・・バカとは口をききたくないエラ~イ受付のひとだったらしい
こんなんじゃ、この博物館で教えてほしいとも思わなくなる
どこでも親切に対応してくださったのに国立だけ対応がやる気ない)




仕方ないので、独学で調べているうちに見えてきました

どうやら私の質問の仕方も曖昧だったようです
「二本線のデザインが違いますが、どちらが正しいのでしょうか?」
のような感じで質問していました


この引両(二本線)については正しいとかではなく、
いろいろなデザインがあっていいようです

(また後でご紹介します)



また、描かれた上杉謙信の陣幕には、引両はありませんでした

天皇家の紋をデカデカとあしらった陣幕で、
自身の家紋「上杉笹」は微々たるものでした

(また後でご紹介します)


引両は武田信玄によく描かれていましたよ




これらの絵は真実から100年以上経ってから描いたものだったり、
さらに時間が経ってから描いた絵に至っては模倣は当たり前になっていて、
結局実際のものはわからないので、デザインの参考としてとらえるのが
無難だと感じました


そんなこんなですが、美しい引両が目に留まったので
これを参考にします

(どれを?ですよね また今度)


引両問題は一応決着つけました





謙信公祭の陣幕に、そもそもなんで引両をデザインしたのか・・・

大河ドラマ・風林火山の幕がそうだったから?違います
引両はありません

大河ドラマ・風林火山の軍旗にはありましたけどね


「信玄公祭り」で引両が使われるのは、解るのですが・・・

もちろん上杉謙信にも引両を使える正当な理由はあるのですが・・・


大変失礼ですが、資料館の方が即答できないのに、
幕を制作依頼した方が熟知しているとは思えませんでした


合戦ののぼり旗や幕についているよくありがちな二本線、
だだの飾り、模様だと思ってませんか

これは足利家、足利将軍家にまつわる文様です



こういった柄には、ほぼ全てに意味があり、模様でなく「文様」です




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