道鏡が伝えた しもつかれ 栃木県の郷土料理 | 江戸手描き友禅「染工房 まいむらさき」のそめいろ日記

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栃木県小山市でそめもの教室の講師をやっています。
染め物のコトや、じんくん(秋田犬)のコト、歴史、芸術、美術、日々の色々を綴っていきます。

染師・まいまい です


昨今、節分といえば全国区で恵方巻が流行っていますが、栃木県では、この時期にローカルフードを食べるのが習わしです



私の地元・栃木県の郷土料理

しもつかれ





この食べ物は、もともと、道鏡(どうきょう)が伝えたものです

道鏡は昔々、奈良の大仏を造っていたりした時代、
ここ下野国(しもつけ・栃木県)に配流となって都からやってきた高僧です

医学の心得がある道鏡ですから、下野の人たちにもより栄養価のある
食事をしてもらおうと考案したのかもしれませんね




時が流れれば、文化、風習も変わっていきます


当然、食材は当時のオリジナルレシピのままではないでしょうけれど
ローカルフードとして根付いてますよ


地元のスーパーでいつでも扱っていますが、
本来は2月の初午に作るそうです

私の母が言うには、節分の次の日に作るものなんだそう

鮭の頭を使いますが、これは正月に食べた新巻鮭の残り物を
余すところなく使いきるという習わしです

「お掃除料理」ってやつですね

節分のときの大豆を食材に使ったりと、疫病退散の意味も
込められています

それぞれの家で作った、しもつかれを食べてまわると、病気にならない、とも言われます


しもつかれ用の特製のとても大きなおろしがねを使いますが、このおろしがねを
「鬼おろし」と言います


余談ですが最近、ハンバーグ屋さんで「鬼おろしハンバーグ」が流行ってますよね

あの鬼おろしです


「しもつかれ」の起こり・由来・語源は、
それぞれに違っているし、その地域の伝説と混じりあい
独自に風習も生まれていったと思われます




また、しもつかれの由来の伝説をひとつ見つけましたよ

栃木県に伝わる「九尾のキツネ」にまつわるお話


金毛白面九尾のキツネが下野国に飛来し、人々を苦しめた。
キツネがもたらした疫病を除くため作りだされたのが
「スムツカリ」(酢むつかり)。※

※いった大豆を酢につけた食べ物


稲荷神社に赤飯と共におそなえされますが、
この伝説が関係しているからでしょうね




しもつかれの語源もいろいろです

・今、お話した、「スムツカリ」
・下野(しもつけ)独特の食べ物という意味「下野ばかり」
・「下野の家例」
・「下野のカレイヒ」※

※カレイヒ
乾飯のこと

しもつかれの他の呼び名は・・・・

「しもつかり」
「しみつかり」
「すみつかれ」
など



道鏡様が伝えた食べ物、いろいろに進化しましたね

道鏡はこれに命名しなかったのかしら・・・
しもつかれって、まさか本当は道鏡が命名したのに、時と共に忘れ去られた

だけど到底、道鏡様のセンスとは思えない名前
「しもつかれ」なんて・・・・

ビジュアルもちょっとね・・・・


パソコンの予測変換で
「下疲れ」とか「下突かれ」とか
表示されたときには
もう笑うしかなかった・・・

いくら道鏡由来・ゆかりだからといって、その変換は勘弁してください…


もうこうなったら「道鏡スペシャル」でいいじゃない


あっ、そうそう
道鏡様にお出しする分は鮭と酒粕は抜きにしないとね





地元民なのに食わず嫌いでしたが、道鏡様を思えばなんのその
気愛(合い)でモグモグ・・・・





グハッあせる

理解に苦しむ味わい…汗

複雑怪奇…

なんだろう、何が足りないのかな…

もっと甘くしたら良くなるのかな…

酒粕を入れたことで、全てをダメにしているように感じます

酒粕を使った美味しいものっていろいろあるけど、う~ん…汗

レンジでチンしたら、食べやすくなったラブラブ

各家庭で自由にアレンジするそうですから、
きっとさらに、好みの具や味付けで食べていることでしょう

「うちの親戚のおばちゃんが作るしもつかれ、うまいんだよ~」って言ってる人がいるくらいですからね合格








製造者さん、ごめんなさい

私はまだまだ未熟者ですね…



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