機織りする埴輪 出土!(地機・いざり機) | 江戸手描き友禅「染工房 まいむらさき」のそめいろ日記

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栃木県小山市でそめもの教室の講師をやっています。
染め物のコトや、じんくん(秋田犬)のコト、歴史、芸術、美術、日々の色々を綴っていきます。

染師・まいまい です



以前の話

染めをやっている私は布に関心があるので・・・



珍しい「機織りするひと」の埴輪が、
地元、栃木県下野市で出土し、展示されたので、
さっそく見学

下野薬師寺歴史館にて展示



この埴輪についての展示は撮影OKでした


復元映像

 



 


 


 


 

草間彌生さんのアート作品みたいな
ポップな水玉



出土した甲塚古墳は、下野薬師寺、
下野国分寺、下野国府と同じエリアにあります

ここは、下野薬師寺、下野国分寺、
下野国府で栄える奈良時代より、
ずっと前から古墳密集地帯だったんですよ




この埴輪はの織機は、原始的な様式です



ここから専門的な話・・・



通称、「地機(ぢばた)」と呼ばれます。
だいたい弥生から古墳時代まで使用されていたと
されています。

奈良時代にはすでに、
この地域も特産として絹織物が
朝廷に納められています。

そして、現在でも変わらずこの地機で織られる
絹織物があります。

それが、私の超地元、小山(栃木県)、結城(茨城県)
の伝統工芸「結城紬(ゆうき つむぎ)」
です!

このことが結城紬の特徴、ウリでもあります!

結城紬はユネスコ無形文化遺産です!


地機をいまだ守り伝える伝統工芸は、
全国的に見ても結城紬の他、ほとんどありません。

私の地元では、地機のことを
「いざりばた」ともいいます。


多少、進化したものの、基本の原理は変わりません。



古民家にて撮影
使われなくなったモノなので縦糸が切れています




上図をご覧ください。
人物のお腹と縦糸がくっついています。

地機、いざり機は、織る人も織機の一部になることで
はじめて織機として完成する仕組みです。

一般的な織機との最大の違いは、腰を使うことです!

縦糸を腰で支えています。
縦糸の張りの調子(テンション)の調整は
腰でしています。






この「腰あて」で支えます。

腰に負担がかかる仕事です・・・・。

そういえば、埴輪にも腰あてがありましたよ。







出土した実際の埴輪

 


 


 



いざりばた のルーツを目の当たりにでき、
嬉しいし、事実確認できて、なんだかホッと
しました

そのうち、地機は日本だけのモノでない話も
書こうと思ってます



長いので、この辺でさようなら・・・・・




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