今日もまた目覚め 夢だと気づく朝(by 絢香)
ドバイに住んでいる祖母から小さな郵便が届いた
詳しいことは知らないのだけれど、子どもの頃聞いた話では
祖母はとてもきれいな娘で、近所でも評判だったのだが
日本に来ていたアラブの偉いお坊さんに見そめられ
さらわれるようにして結婚したのだそうだ
郵便には、おそらく台から取り外された宝石がいくつも入っている
祖母の遺言で、日本のマイムに届けるように手配されていたのだという
アラブ首長国で祖母が亡くなったのはひと月ほど前のこと
遺骨が日本に帰ってくることはなかったが
普段の生活から考えると、財産というにはあまりにも僅かなもの(伯父がそう言っていた)が
日本の肉親にも贈られたと聞く
遠い昔のことで、思い出はほとんど無いのだが
誰よりもきれいで優しい雰囲気のその人に会うのが好きだった
確か日本を離れる前日のこと
祖母に抱かれたマイムが笑って納まっている1枚の写真がある
「おばあちゃんきれいだね」と
身につけていたジュエリーに手を伸ばしているのだ
宝飾加工の技術はないし、依頼する資金も無いので
積み木に固定することにした
宝石にあう穴を開け
ホットボンドで接着して…
おばあちゃんありがとう
もう一度会いたかったな。。