空気の中で一番多いのは何だっけ?

いきなりそう話しかけてきたのは丸山だ




窒素だろ、辰雄は普通に答えたつもりだった



んじゃさ、問題になってる二酸化炭素は何パーセントなん?

得意げな表情で丸山は続けた




知らないけど増えてるんだろ、地球に


だから何パーセントって聞いてんの

丸山の言葉は威圧的だった



辰雄は腹立たしくなってきた

何パーセントなんて知らねーよ、それがどうしたんだよ



あっやっぱり知らないのね、だけど温暖化とか言うんだ

丸山はにやけた顔で続けた



留美子ならきっと対抗できただろうと思いながら、
辰雄はしらけた気持ちで丸山の言葉を待った




二酸化炭素は空気中の0.04%何だぜ
だけど産業革命の前は0.03%だったんだ
このまま行ったらヤバイよな


酸素が20%という知識はあったが、
二酸化炭素はそんなに少ないのに問題になってるのか、と驚きながらも
辰雄は丸山の説明に不思議な感動を覚えた




丸山はずりおちためがねを左手の中指で押し上げながら
こんど俺んち来ないか、と誘った



つづく