「この宇宙が誕生したのが地球の時間で137億年前と言われているけれど、そのうち遅くても100億年前までには生命が誕生したはずではないのですか?」
「それは我々の推理とほぼ同じだ」

「だとしたら生まれて文明を築くようになるまでまでに成熟した生命が100億年の歴史を作っているはずですよね。その生命はどこにいるんですか?」
「我々の生命が種として発生してこの星で文明らしいものを築いてからまだ10万年も経っていない。宇宙の時間とDNAの研究が成果を現し始めてからはまだその半分しか経っていないのだよ」

「その間に発達した他の生命と接触したことは無いんですか?」
「数えるほどだが、ある」

「それは?」
「現時点で知能を持った生命体は、宇宙君の地球を含めて3つの地域で確認されている」

「地球以外の地域ってどこなんですか?どんな生命体なんですか?」

「それは…」


表情に疲れの色を感じたトントに飲み物をすすめ、ミリンダが代わって話した。


「1つの生命体は私たちよりずっと歴史が長く、文化も進んでいた。私たちにいろいろなアドバイスもくれたの。私たちが今あるのはあの人達のおかげだと言ってもいいわ。人と呼ぶならだけど」


ミリンダは美しく微笑み、飲み物を一口飲んでから続けた。