二人はおよそ三間の間をとって対峙した

既に平七郎は抜刀している
対する京乃助は鯉口を切った柄をやや開き気味に持ち
腰を落として居合いの構えだ

平七郎はゆっくりと間合いを詰めながら
青眼から上段に刀身を上げ気迫を込めた殺気を発した

京乃助はじっと動かず半眼の目は平七郎の呼吸を伺っている

緊張の糸をほぐすように平七郎が2歩ほど体を引き
目を見開くとすぐに気迫を込めた一撃を叩きつけてきた

京乃助は気合いと共に右に跳んだ
同時に抜き放たれた備前影虎二尺四寸二分の妖刀が
殺気を引き裂き胴に走る

振り下ろされた平七郎の刀が空を切ると
目の前に京乃助が迫った

新影流秘剣差苦羅皮裁

平七郎が跳び去りながら放った一撃が…









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