トントはボクにすーっとする安らぎを送り込んでくれた。真っ白な雲の布団にくるまれて夕焼け空にふわふわと浮かんでいるような気持で眠りの世界に吸い込まれていった。
何かプレッシャーのようなものに負けそうになったとき、僕はトントに助けを求めた。トントはその度に優しく慰め、安らぎをくれた。でも夢は一日も休むことなく毎日続いた。

バイオリストコンピュータの構築は宇宙(ひろし)の眠っている間に穏やかに進行していた。それは主に休眠状態の脳細胞の活性化とシナプスの増殖、高機能思考システムの取り込みという形であったが、決められたプラグラム通り確実に進められていた。

フウセンカズラの種取りも毎日ちゃんとやったし、幼児教室にもきちんと通って吉田先生とお勉強をした。だからママは全然気が付かなかった。
星見ちゃんは
「なんかこの頃のうーちゃんって変じゃない?お勉強のやり過ぎじゃないの。」
って言ってた。僕が
「どーして?」
って聞くと
「ううん、別に~。でもな~んか変。」
だって。やっぱするどい。

あと少し僕は頑張って、トントがいいって言ったら、今までのこと全部きっと話そうと思った。星見ちゃんびっくりするだろうなぁ。