
僕のお父さんよりちょっとだけ上かなって感じの、おじさんみたいな声だ。振り返っても誰もいない。でも声ははっきり聞こえてる。
驚かしてすみません。彼の話を聞きましたね。
あなたが見たもの、感じたものをそのまま信じてくれればそれでいいのです。どうか怖がらないで。」
僕はとっても驚いたけど、怖いとは思わなかった。
「私はハートマンからあなたのことを頼まれました。あなたを私たちの任務へ導きます。全てを今お話しするには時間がありませんが…、」
トントは一度話すのを止め、ボクの目を見つめてから続けた。
「でも必ずうまくいくと思います。」
「なんかすごい事になっちゃったみたいだけど、ボクどうすればいいの?」
「いつもと同じでいいですよ。ひろしくん。」
「あれー、僕の名前も知ってるんだ。」
「はい、あなたの事は何でも知っていますし、知ることもできます。」
「それって、ちょっとヤだなぁ。」
「ごめんなさい、プライバシーに関しては調べたりしませんよ。」
「でも何で、何で僕のこと何でも分かっちゃうの?」
「はい、これからゆっくり説明しますね。でも本当に分かって頂くには、何日もかかるかも知れません。」
「えぇ?」
「まず宇宙君、腕のこの傷のことから話しましょう」 つづく