今日、私の初代担当編集である
K氏からメールをいただきまして、
「新花嵐の見本誌、いただきました!
ガラリと雰囲気が変わって、大幅にリライトもされたとのこと。楽しみに読ませていただきますね〜」
とK氏。
元祖花嵐(イラスト:甘塩コメコ先生)
彼とのやりとりを思い出し、目頭が熱くなりました。
受賞したのは、2013年の8月。
発売は翌年の8月。
できあがった作品があるにもかかわらず、こんなにも時間がかかったのは、
元々の作品、文字数が6万文字しかなかったんです。
書籍になるには、大体10万文字は必要なので、圧倒的に文字数が足りなかったんです。
K氏「望月先生、よろしくお願いいたします」
私「わ、先生とかやめてください」
K氏「もう作家先生ではないですか。
では、まず作品本来の展開とスピード感を損なわず、倍以上の加筆をしてください」
私「え……」
最初の指令に私は真っ青。
スピード感を損なわずに倍以上の加筆って!!!
指令はまだ続きます。
K氏「登場人物の履歴書を作って提出してください」
私「えっ、履歴書!?」
K氏「履歴書というか、プロフィール表ですね。どういう生い立ちで、どういう趣味嗜好でどんな特技があるのか。そういのがハッキリしていると、後々ブレないんです」
私「な、なるほど!」
と、なんとか履歴書を作成し、提出。
K氏「いいですね。次は作中に登場する暴走族の組織図を作って提出してください」
私「組織図!?(声が裏返る)」
K氏「あと、ここに登場する車の車種を分かるように書いてください。どんな車でも良いんですが、なぜその車なのかの理由がちゃんと必要です」
私「なるほど!」
K氏「そうそう、ここで食べてるラーメンの味は何味ですか?トッピングは?」
私「え、それ知りたいですか?」
K氏「ナズナの父親のライバルはどんな人物だったのでしょうか?」
私「一行しか出てませんが!?」
と、こんな感じで、とことん突き詰められるなか、なんとか原稿は完成しました。
6万文字だった元の作品は、エピソードも加筆して12万文字まで。
K氏「では、原稿を最初から最後まで、声に出して読み上げてくださいね」
はい!?
K氏「読み上げると、リズムが悪いところや見落としていたものに気付けますので」
私「……はい」
そうして、原稿はようやく校了へ。
K氏「よくがんばられましたね、望月さん」
私「はい!ありがとうございます、K先生!」←
最後は逆転していましたよ、私とK氏笑
彼のおかげで、
なんとなく感覚で作品を書いていた私ですが、キャラクターの履歴書、プロフィール表を作るようになり、
しっかり取材に行って確認を取るようになりました。
作品づくりの根本から教えてくださって、本当に感謝しています。
そのデビュー作が、
文庫に生まれ変わりました。
思い入れの強い作品を
もう一度手がけられてとても嬉しく思います。
新花嵐を読んでくださった身内から
「元祖を何度も読んでるのに、新作みたいに新鮮で楽しかった!この作品『烏丸御池のお祓い本舗』が好きな人なら、大好きだと思う!」
と言ってもらえて嬉しかったです。
発売は2月25日!
色々世知辛い時世ですが、
エンタメ全開作品でスカッとしていただけたら嬉しいです☺️
どうぞよろしくお願いいたします