先日のツイキャスで
ご紹介した本をこちらでも✨

オススメしたい一冊はこちら。
にわか〈京都人〉宣言
東京者の京都暮らし
校條剛先生
イースト新書

校條剛先生は、元新潮社『小説新潮』の編集長。
ご縁があり、御本をいただいて早速読ませていただいたのですが、

面白い。

小気味良く、歯切れ良く、京都の魅力であり、眉を顰めたところを綴られいます。

出版社を定年退職した校條先生は、京都の大学から『ぜひ、教授に』と声がかかり、奥様を東京に残して、京都に単身赴任することに。

そうして、校條先生の六十を過ぎての京都セカンドライフ、『にわか京都人』生活がスタートするわけです。

糖尿病を患っている先生は、洛中のワンルームマンションに一人暮らしをしながら、健康のためにせっせと自炊をされて、電動自転車で通勤しつつ町を見て回り、

はたまた憧れていた(?)サックスを習ってみたりと、驚くほどアグレッシブに京都を堪能しておられます。

ではでは、目次をお見せしつつ内容を紹介させていただくと、


第一章の

謎のスーパー「FRESCO」はどこからやってきたのか

まず、ここで噴き出してしまいましたね笑
本当た京都の町中は、フレスコという名のスーパーでいっぱいなんです!
このフレスコ、ちょっと洒落ていてお高いんですよ!
ワインと一緒に変わったおつまみがほしいなぁ!という時は良いんですが、普段使いには向いていない。
たしかに、どこから来たんだ!?と笑

第一章は京都生活のスタート。
自炊生活を始めた先生視点の京都のスーパーマーケット事情。
京都を多少知っている人は「あるあるある」とクイズ百人に聞きましたのごとく頷きまくるでしょうし、知らない方も「そうなんだ!」と楽しめると思います。

第二章は、少し慣れてきて、町を堪能し出した先生の京都レポートです。

北海道民である私が京の町にいちいち驚いたように、東京人である先生も驚いたり、感心したり、時に呆れたりしたようで、
そうした感想が忖度なくストレートに書かれています笑


私が特に興味深かったのは、
第三章『文芸編集者としての京都』

文芸の世界の第一線にいた編集者さんにとって、京都はなかなか縁深い町だったようです。
誰もが知ってる大作家先生と京都での思い出のできごとが、赤裸々(?)に書かれていました。
(あんまり面白かったので、先生の他の著作『作家という病』も買って読んでしまったほど)

第四章の『京都の食事情』も頷けることが多く、興味深かったです。
自由に出歩けるようになったら先生がオススメしていたお店にも行ってみたいと思いました。



第五章からは、京都にすっかり慣れた先生から見た京都事情が綴られています。

また、京都だけではなく、大阪や神戸のことにも触れられていたり。

先生は4年間京都に住んで、今は東京に戻られているとのことですが、

「京都に一度は住んでみたいんだけど……」

と言いつつ二の足を踏んでいる方に、サントリーの創業者・鳥井信治郎の言葉を借りてこう伝えるそうです。

「やってみなはれ、住んでみなはれ」と。
人生は一度きり。

京都は時に不思議の国ですが、外の人が思うほど、怖いところでもないんです笑

さて、元新潮社の編集長である校條先生が、なぜに畑違いの私(笑)に御本を送ってくださったかというと、

先生は今、京都文学賞の選考委員をされていまして、そうしたご縁からだったのですが、

同じにわか京都人ということで、送ってくださいました(*≧艸≦)

そしてそして、この御本に
私の名前もチラッと出ているんです!
光栄すぎました!
ありがとうございます!!

文学の世界に生きた東男(あずまおとこ)の、京都でのセカンドライフ。

大変興味深く、面白かったです。

自由にお出かけできなくなった今、ぜひ脳内で京都を擬似体験していただけたらと思います。