お酒とおつまみをお題にした
エッセイ集
夜更のおつまみ (ポプラ社)
見てください、この豪華なメンバー!!
気になる目次はこちら(*´艸`*)
以前、asta* というポプラ社さんのフリーペーパーに寄稿させていただいたものです。
飯テロ酒テロ間違いナシ!
美味しいとこいっぱいのこちらのエッセイは
3月5日発売です!
どうぞよろしくお願いいたします✨
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そしで感謝御礼です
コミック版
わが家は祇園の拝み屋さん①②巻
[蒼崎律先生]
コミック版
京都寺町三条のホームズ⑤巻
[秋月壱葉先生]
重版の運びとなりました!✨
とても嬉しいです😭
応援してくださる皆様、
本当にありがとうございます!!
感謝の気持ちに(というほどのものでもないのですが)、京都ホームズ13巻の裏話を掲載したいと思います。
※ネタバレありで書きますので、未読の方は読了後に目を通していただけると嬉しいです。
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13巻裏話
私はこれまで書きたかったシーン、エピソードがいくつかありまして、今回それを書けたのがとても嬉しかったです。
そのうち大きなものが、『清貴と円生が結託して、葵を助ける』『清貴の命を受けて利休が葵を護る』というエピソードでした。
最初、上海に葵も同行させる話を考えたのですが、そうなると利休が活躍しそうにない。
清貴と葵、二人をいっそ離してしまおうか。
そんな発想から、上海編、NY編が生まれました。
当初、一冊の本に、上海舞台の話とNYでの話を交互に書いていくことも考えたんです。
ですが担当編集さんに、「それでは場面転換が多すぎて読者さんが混乱したり、もしくは話に入り込めなかったりするので、上海編とNY編は本を分けた方がいいと思います」というアドバイスをいただき、『なるほど』と納得。
「ほら、『冷静と情熱の間』とか、男の視点の一冊と女性の視点の一冊の二冊で織りなされているじゃないですか。京都ホームズも、一冊は清貴の表紙、もう一冊は葵の表紙にする。同時発売で書店に二冊並ぶ。すごくいいと思うんですよ! 僕、そういうのすごく好きなんですよね~」
「…………」
――というわけで、舞台を分けて一冊一冊で書くことになりました。
(その時点では、同時発売を目指していました)
さて、どう書こうか。
12巻では祇園の小松探偵事務所を舞台にしたライトミステリ展開だったので、13巻は葵の話にしたい。だから、13巻を葵NY編、14巻を清貴上海編にしようか。
そう思い書き始めたのですが、全然上手くいかないっ!
冒頭、葵編を30ページくらい書いてボツにするのを7回くらい繰り返し、見事スランプの沼へ。もう書けなくなってしまったのかもしれない。
風呂敷纏めて逃げ出したい、などと思ったのですが、
ふと、
『いっそ、清貴の話を先にしてみてはどうだろう?』
という考えが過り、これまで思い描いていた構成を一旦捨てて、清貴上海編を先に書くことにしました。
これは、私的になかなか勇気のいることでした。
ですが、清貴の話を先にすることで、ようやく筆が動き出したんです。
今回、海外が舞台とはいえ、これは『京都』と名のつく話。
一編でも京都の話を入れたいし、秋人にも登場してほしい、と『まるたけえびすに気を付けて』を書くことにしました。
おまけのようですが、ここで秋人は13巻のテーマを示すような大きな言葉を残しましたし、何より秋人の魅力を伝えられて良かったなぁ、と思ってます。
そうして上海編。
悩んだ結果、小松目線で進めることにしました。
小松さんは突出した特技を持っていますが、感覚は至って普通の人。
普通の人の目線で、清貴と円生をお伝えできる方が楽しいのでは?と思ったんです。
何より私自身が普通の人なので、とても書きやすく、楽しかったです(笑)
上海の綺麗さに驚き、リニアの速さに目を丸くしたり、地下鉄の扉に挟まれかかったり、エレベータのスピードにヒヤッとしたり、小松さんの体験はすべて私の感想です(笑)
ちなみに豫園で皇帝・清貴と侍女・葵を妄想したのは、私の……というより、小松さん、実はラノベ好きという裏設定もあったりしました(笑)
さて、13巻は円生の葛藤と出発の話でもありましたが、先日読者さんに、「円生のこの展開は以前から決めていたんですか?」という質問を受けました。
答えは『イエス』です。
はっきりとではないですが、こうした展開がぼんやりと頭にありました。ですが、もっと先に書こうとも思っていたんです。
もう少し清貴の許で修業させてから、と……。
ですが彼の中で限界に近くなっているのを感じたので、上海編で円生の爆発も描くことにしました。
当初は菊川(雨宮)史郎の脅迫を受けて、清貴と円生が上海で奮闘する話を書けたらなぁ、なんてぼんやり思っていたんですが、円生の爆発も入れたので今回のような感じになり、結果的には良かったな、と。
私がもうひとつ、いつか書きたかったエピソードは、『マダムに身売りしに行く清貴』のシーンでして(笑)
ワインをかけられるところも含めて、書けて楽しかったです。
あと、実はもっとミッションインポッシブル並みのアクションで絵画を盗み出すシーンも本当は書いてみたかったのですが、
清貴「いえ、そんな(笑)ありえないでしょう? 僕ならそんなことしないです」
と、脳内で拒否されまして、今回のような形になりました。
(くーっ、いつか書いてみたい!)
そうして書き上げた13巻。
思ったよりも時間がかかり、二冊同時ではなく、二か月連続となってしまいましたが、結果的にこれで良かったかな、と私は思っております。
14巻の裏話はまたの機会にお届けできたらと思います。
いつもご愛読、心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。