昨日、一昨日と
余りに雨がひどくて
家の裏の崖崩れの可能性があったので
息子達と飼っているウサギを連れて
比較的安全な実家に泊まりに行った。
私は普段、実家の一室で仕事をしており
実家に泊まる時はいつも
息子達とは別に
パソコンなどの置いてあるその
私専用の仕事部屋に1人で寝ている。
一日目の夜は
すさまじい雨の音で
眠りが浅かったものの
特に何も変わりなく夜が明け
あくる日には山の中の自宅に戻るつもりだったが
断続的に激しく降り続く雨に
不安を覚え
実家にもう一泊することにした。
昼間にリビングで遊ばせていたウサギを
移動用のカゴに入れて
夜の１２時頃、
仕事部屋で
カゴに入ったウサギを横に置いて
いつもの様にフローリングの上で毛布一枚にくるまって
クッションを枕に眠りについた。
デスクの上から天井に向かって
固定電話のボタンが青く光っている。
余りに真っ暗だと眠れないので
それは私にとってちょうど良い明るさだ。
そうして眠りに就いて
そうだな
1〜2時間は経っていたと思う。
暗く静まり返った部屋の中で
急に
デスクの横の棚に置いているプリンターが
動き出す音がした。
……あ？
……は？
…………どゆこと？
眠りながら浅い意識の中で
あーなんか始まった。。。
と思っていた。
完全にコピーを取っている時の音。
画像を読み取るための
バーがウィーンと動いている音がする。
目を開けても
もちろん誰もいない。
というか狭い部屋なので
もしもプリンターを使うなら
寝ている私をまたいで
すぐ横に立っていなければならない位置なのだ。
はいはい。
一体何がコピーされて出てくるのかなー
怖い画像が出てきたりしたら
受け皿を閉まってあるので
寝ている私の上に
ひらーんと落ちてくるよなー
さすがに嫌だなーと思いながら
果たしてプリントが出てくるのか？と
横になりながら待っていると
プリントが出てくる前に
止まった。
しーん..........
金縛りは無かったが
全身が少しビリビリと痺れてきたので
イラッとして
眠たくて動かない身体に鞭打って
無理矢理身体を動かして
振り払った。
そのまま気にせずに眠っていると
またしばらくして
プリンターのバーが動き出す音がし始めた。
今度は前回よりも長く
バーが何度も行ったり来たりして
動いている音がする。
今度こそなんかプリントされて紙が出てくるのかなーと思いながら
目を閉じたまま音を聞いていると
また
紙が出てくる前に止まって
静かになった。
しーん……
まーいーや
放っておこう。
そうして再び眠りにつき
またしばらく経った頃に
またプリンターが動き出した。
しかも今度は
ガーガーガタガタガタガタ
ガーガーガタガタガタガタ
と、凄い音が続く。
は？もーーー何の音？
プリンターってこんな音出た？
何が始まった？
さすがに起き上がって
部屋の電気を付けようとすると
ピタッと音は止まったが
プリンターは
ばっちり電源が付いていて
液晶画面に
「クリーニング中」という表示。
あねー
勝手にクリーニングするな！
と思いつつ
電気をつけて
プリンターの電源コードを根元から引っこ抜いた。
ビビるものか。
負けてたまるか。
その後
今度はパソコンとかFAXとかに何か起こるのかなーと思いつつ
眠りについたが
そのまま朝まで何もなかった。
うーん
なんだったのかわからないが
家族に言うとみんな怖がるだろうなと思い
誰にも言わずにおいた。
私の実家は
私が成人して随分経ってから引っ越したので
実は余り寝泊まりした事がないけれど
数多くはない泊まりの中でも
昨夜のような現象を体験したのは初めてだった。
ただ時々、物が無くなって
しばらくすると無かったはずの場所にあったりすることは
しばしばあるのだが
それは私が小さい頃過ごした家でも同じことだった。
母はそれを
座敷わらしのイタズラだと言っていて
ざしきわらしちゃん
イタズラしないで返してちょうだい
と
空(くう)に向かって呼びかけると
しばらくすると
ちゃんと返してくれてある
と母は言う。
そう言えば
今回のことで思い出したが
数年前
母が泊まりで出かけて
父が一人で過ごしていた時
夜中に突然
二階で寝ていた父の部屋の
すぐ隣の物置の中で
電池式の獅子舞の人形が
箱の中で踊り出したという話は
以前に聞いたことがあった。
夜中に突然何の音かと驚いた父は
音の原因を突き止めて
更に驚いたと言っていた。
そりゃそーだ。
なんで箱の中の人形のスイッチが勝手に入る？
ビックリして
怖かったねーと父は笑っていた。
それは満月の夜だったことを
父の話から
覚えている。
満月という時が
電気に働きかける何かがあるのだろうか？と
考えたりしてみていたが
昨夜は満月でもなく
やはりなにかの
イタズラ的なものなのかなー
という気がする。