本人尋問にうつります」

 

 

裁判官からの一声で

書記官の方が立ち上がり

私を証言台の前まで案内します

 

証言台の前に立つと

先ほど署名捺印をした宣誓の紙を

書記官の方に渡され

読み上げるように言われました

 

 

宣誓 良心に従って

真実を述べ、何事も隠さず

偽りを述べないことを誓います」

 

 

記憶のみのため

多少違っている言葉など

あるかもしれませんが

このような意味の宣誓文でした

 

ドラマでよく見るシーンですが

本当にあるんですね(笑)

 

3年前の私はまさか自分が

この宣誓をすることになるとは

思わなかっただろうな

 

 

書記官に着席を促され

証言台用の椅子にしては

かなり低めですが

肩まで隠れてしまいそうな高さ

の椅子に座ります

 

 

「ではまず

夫婦関係が破綻し始めた

のはいつ頃ですか」

 

 

「夫婦関係の破綻…」

 

答えに詰まっていると

見かねた裁判官が

 

「入籍してから

幸せな期間もありましたよね?

ずっと不幸だったわけではないでしょ?

その不幸になり始めた時期を

教えてください」

 

 

幸せな期間…?

入籍してから

幸せだった期間ってあったっけ?

確かに復縁してからの数ヵ月は

浮気されているとも知らずに

夫から愛されてる実感があり幸せだった

しかし浮気が発覚してから

(詳しくは夫の前で初めて泣いた日を参照

浮気発覚についてはショッピングモールで 救急車を呼ばれた話 前編

でもさらっとふれています)

 

次の日に妊娠発覚

夫と結婚することを決意してからの流産

入籍したあの頃

人生で一番苦しい時期だった

なんで入籍したんだ?

あの頃はまだ息子を妊娠していなかったし

夫を他の誰にもとられたくなかった?

自分には夫しかいないと思い込んでいた

そうだったそんな感情だった気がする

次浮気されたら

今度は慰謝料を請求できるんだ

そんなことも考えていた気がする

入籍する前から同居はしていたし

結婚式などもやる余裕はなかった

入籍しても生活は変わらず

苗字の変更がめんどくさかったなぁ…

私はあの頃嫉妬に狂った狂人だったし

夫にGPSをつけてもらい

夫のスマホをチェックしては

喧嘩する毎日

幸せだったのは…

いつだ…?

 

 

「はぁあ…

入籍する前の交際時の

二度目の浮気発覚の頃から

私の精神的には

かなり追い詰められていて

入籍後も喧嘩が多く

幸せな期間は…

ただそれが悪化し

冷戦状態のようになりだしたのは

ゴールデンウイークあたりからでした…」

 

 

「平成〇年の5月初め頃ということですね」

 

 

「はい」

 

 

「被告が出て行ったキッカケに

金銭的トラブルでの口論とありますが

これは具体的にどういった内容ですか?」

 

 

「被告と同居を始め被告のお給料だけで

生活をさせてもらうことになってから

家計簿をつけていたのですが

被告が出て行った前の月の

計算がどうしても合わず

被告に家計簿を見直して

私の計算が間違っていないか

見てもらおうとしたところ

『俺を疑っているのか』

とキレられ口論になりました」

 

 

「では次に

被告が長男に対して

4度の婚姻費用の支払い以外で

気にかけたことはありますか?」

 

 

「被告も知っていた長男の予定日が

〇月末だったのですが

予定日の月を過ぎた

翌月に『産まれたんですか?』

というメッセージがきました

『産まれました』とだけ返信すると

『いつですか?』ときたので

『先月です』と返して

『いや何日だよ

ふつーすぐ連絡するだろ』

ときてそれ以上は返信していません」

 

この内容は私が離婚と親権を主張するのには

不必要な情報だと思い

陳述書や証拠には出しませんでした

詳しくは産後夫からきたメッセージに書いています

 

 

 

「それ以外で長男の事に被告がふれたことは?」

 

 

「ありません」

 

 

産まれてから長男に対して

話がでたのはこの時だけでしたね

 

 

「最後に

原告は別居当初

復縁を望んでいたようですが

今は離婚を望んでいるということですね?」

 

 

こんな質問されるんですね

私が離婚を請求して

裁判を起こしているのに

一瞬動揺しそうになりました

 

 

自分に言い聞かせるように

 

「はい」

 

 

冷静に力強い声で答えました

 

ダメ押しのもう一言

 

「離婚したいです」

 

 

「ありがとうございました

では原告は席に戻ってください」

 

 

最後の質問が

自分の中で少し

引っ掛かりつつも

原告の席に戻ります

 

 

「では判決は〇月〇日

〇時〇分こちらの法廷で言い渡します」

 

 

「え!?」

 

 

裁判官の一言に

私は2つの驚きで

思わず声が出てしまいました

 

一つ目は次がもう判決だということ

 

二つ目は判決の言い渡し日時が

2週間後だったこと

 

書記官の方には

「1ヶ月はかかるだろう」

と言われていたので

 

2週間は脅威の早さでした

 

 

「どうしました?」

 

 

私の声に裁判官が反応します

 

 

「いえ、思ってたより早かったので」

 

 

「手続きかなにかの関係で

まだ夫婦関係でいたいなどありましたか?」

 

 

いえ!!

そんなことは全くありません!

ただあまりに早い期日で来れるか不安で」

 

 

「ではこの日で大丈夫ですね

判決は聞きに来ない方がほとんどですので

後日郵送でお送りしますよ」

 

 

「わかりました」

 

 

「ではこれで裁判を閉廷します」

 

 

 

 

離婚裁判

第一回口頭弁論

終了しました