未子ちゃんが何か言いかけた時

まだ何も言っていないのに

桐谷くんが、待ったをかけ

そして母親に対して、

正式に脱会すると言い切った。

 

 

 

未子ちゃん

「ありのままは、好きになってないです。」

 

 

 

桐谷くんの母

「え?どういうことですか?」

 

 

 

桐谷くんの母親が

心底驚いた表情を見せるので

未子ちゃんはそれに驚く。

 

 

 

未子ちゃん

「ですから、結婚することで

 その宗教の行事に

 参加しないといけないなら

 私は桐谷くんのありのままは

 好きになれないです。

 

 先ほど言いかけたことですが

 私が今後その宗教に

 関わるようなことがあるなら、

 

 結婚はしないです。」

 

 

 

 

桐谷くん「え、、、」

 

 

 

 

桐谷くんの母

「ちょっと未子さん。

 まだ、何も知らないのに

 どうしてそこまで言い切るの?

 

 知らない世界を知るって

 素敵なことだと思わない?

 仏教だってその世界を知れば

 深くて素晴らしい世界だと

 思う人が大勢いるじゃない。」

 

 

 

一体、何を言い出すのだろう。

 

 

 

未子ちゃん

「そりゃあそうかもしれませんけど

 例えば仏教の世界を深く知っても

 素晴らしいと思っても

 一般家庭では

 毎週参拝に行くことはありません。

 

 でも、だからと言って私は

 その世界の方を

 否定する気もありません。

 

 ただ、私は入らないんです。

 それだけです。」

 

 

 

とても簡潔に丁寧に

未子ちゃんは説明できていると思う。

 

 

 

しかし

 

 

 

桐谷くんの母

「あらまぁ困ったわねぇ、、

 私だってずっと息子のために

 やってきたんですけどねぇ。」

 

 

 

こういう場面で、

語気を強めて言い返してこないのも

なんだか怖い。

 

 

 

 

桐谷くん

「俺のためって思うなら、、

 

 どうして脱会も、未子さんの話も

 聞いてくれないの?」

 

 

 

桐谷くんもこの流れで

母親にしっかりと聞いている。

 

 

 

桐谷くんの母

「ずっと聞いてるじゃないの。」

 

 

 

未子ちゃんの父

「それは、、聞いていることには

 ならないと思いますよ。

 

 聞こえてはいると思いますが、、

 息子さんがここまではっきりと

 脱会したいと言っているなら

 認めてあげるのが

 

(聞き入れる)って

 ことじゃないんですか?」

 

 

 

桐谷くんの母

「それはうちの問題なので

 あとで2人で話し合います。」

 

 

 

未子ちゃんの兄

「2人って、、それじゃあ結局

 息子さんは押し切られて

 お母さんの言いなりじゃないですか。

 

 桐谷くん、いいのか。

 このままお母さんの言うこと聞いて。

 

 そういう人生を選ぶなら

 君は同じ境遇の人と

 結婚するのが一番いい。」

 

 

 

桐谷くん

「それは、、それだけは嫌です。

 

 それこそもう、

 脱会出来ないじゃないですか。」

 

 

 

桐谷くんの母

「脱会できないじゃないですか、って

 

 何その言い方。

 

 もしかして・・・未子さんに

 洗脳されちゃったの?」

 

 

 

 

それはこっちのセリフだよ。

 

 

 

 

 

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