登場人物

 

海ちゃん…18歳の時に出会った親友。

今は結婚して県外におり、3人の子供を育てている。

長女の渚ちゃんはもう高校生。

その下に次女の凪ちゃんと弟くんがいる。

 

川太…海ちゃんの夫。温厚で優しそうで家族想い。

と、誰もが思っていたが、実は部下と不倫をしていた。

まだ2人とも会社は辞めていない。

 

リク…24・5歳、海ちゃんの旦那の部下で不倫相手

 

家族仲、夫婦仲がとても良い夫婦と

海ちゃん本人も思っていた、しかし夫の本性は、、

 

 

 

水曜日。

 

 

海ちゃんは自宅から、

車で少し離れた場所の

コーヒーチェーン店にいた。

 

家の中で2人で話すのも嫌だが

近所の人に、

平日の朝から何してたのと

聞かれるのも嫌だった。

 

 

 

川太

「・・・海、もう来てたのか。」

 

 

 

待ち合わせの、15分前。

海ちゃんは1時間近く前から来ていた。

 

 

 

海ちゃん

「仕事したかったから。」

 

 

 

川太

「忙しいのにすまない、、、」

 

 

ほんとそう。

 

と言いたい気持ちはグッと抑える。

 

 

 

 

海ちゃん

「もう、すぐに本題に入りたい。」

 

 

 

川太「えっ、あぁ、、」

 

 

 

川太は

先にオーダーしていたコーヒーを

机の上にそっと置いて、膝に手を乗せる。

 

 

 

海ちゃん

「今、子供達がどうなってるか

 あなた知ってる?」

 

 

川太「どうなってるって、、」

 

 

海ちゃん

「あなたは、たまに会う

 下の子達2人のことしか

 知らないわよね。

 

 渚のことは聞いてこないから。」

 

 

川太

「だってそれは、、聞きたいけど

 特に渚のことはさ、、

 俺のこと嫌いだろうから

 聞かれたくないだろうなって、、」

 

 

 

海ちゃん

「自分のことが嫌いだろうから

 普段どうしているのか

 聞いてこないわけ?

 

 元気にしてるのか、

 どんな様子なのか。」

 

 

 

川太

「そんなこと聞かれたくない!

 あなたのせいで傷ついてるのに!

 って、言われるのかと

 思ってたから、、

 

 それに、その通りだし、、、

 

 でも!だからって

 気にかけてないこととは違う。

 口に出さないからって

 気にしてないわけないだろ。

 

 子供達のことは、、、こんなこと

 言っても信じてもらえないけど 

 子供が大事なことと、

 遊んでしまったことは

 全く別問題だから!!」

 

 

 

海ちゃん

「そうね、別問題でしょうね。

 

 私だってそのくらいは知ってる。

 どんなに立派な仕事してても

 寄付をたくさんしてる人でも

 子供を可愛がっていても

 

 浮気をする人はするって

 分かってる。

 

 でもそれが、そんなことする人が

 夫なら嫌なの!!自分のパパなら 

 より一層嫌なの!!

 

 渚はねぇ、あなたのせいで

 不登校になったんだから!!!

 学校に行けなくなったんだから!」

 

 

 

川太

「え、、、不登校、、、?」

 

 

 

もう、今はなんとか頑張って

学校に行けてる、とは言わないでおこう

今はそう思った。

 

 

 

海ちゃん

「凪は、私とあなたが

 前みたいに話さなくなったことに

 気がつき始めてる。

 

 あなたが軽い気持ちでやったことが

 子供達のことを

 時間をかけて苦しめてる。

 

 もちろん凪の前では

 私が普通に話せたらいいんでしょうね。

 私が頑張って嘘をつき続けたら。

 

 でも、なんで?なんで私が?

 あなたのせいなのに!」

 

 

 

川太

「・・・・・・・」

 

 

 

川太は、小さく首を

縦に何度もふっている。

 

 

川太

「俺が悪い、、すまない、、

 子供達のこと全部、、

 

 海に任せきりで、、、

 俺が、、、」

 

 

 

俺が悪い、俺が悪いって

言うのは分かっていた。

 

 

けれどそんなことを言われても

全然心は楽にならない。

 

 

じゃあなんと言われたら

心が救われるの?

 

 

 

そんなこと、わからない。

 

 

 

 

ただただ、

川太とリクが不倫する

2年以上前に戻りたい。

 

 

 

 

 

 

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