登場人物
海ちゃん…18歳の時に出会った親友。
今は結婚して県外におり、3人の子供を育てている。
長女の渚ちゃんはもう高校生。
その下に次女の凪ちゃんと弟くんがいる。
川太…海ちゃんの夫。温厚で優しそうで家族想い。
と、誰もが思っていたが、実は部下と不倫をしていた。
まだ2人とも会社は辞めていない。
リク…24・5歳、海ちゃんの旦那の部下で不倫相手
家族仲、夫婦仲がとても良い夫婦と
海ちゃん本人も思っていた、しかし夫の本性は、、
※ 昨日まで海ちゃんの言葉
そのまま書いていましたが
ここからはまた、
パンダの文章に戻ります。
◆
海ちゃんの娘の渚ちゃんが、
月曜日と火曜日になると
学校に行きたくなくなり
水曜日になるとまた学校に行き始める。
そんなことを1ヶ月くらい続けていて
もしもこのまま、
2学期が終わってしまって
3学期も過ぎてしまったら?と
この先のことを考えて海ちゃんが
どんどん不安になっていたある日
渚ちゃん「ママ…今いい?」
夜の23時。リビングで海ちゃんが
1人で仕事をしている時だった。
海ちゃん
「え。。。あぁ、うん。」
ここ最近は、学校に行っている日でも
家に帰ってくるとすぐに
部屋に閉じこもってしまっていたので
なんと話しかけたらいいのか
わからなかったけれど
娘の方から話しかけられて
正直驚いてしまう。
渚ちゃん
「・・・・・・・・」
海ちゃんの向かい側の椅子に
黙って座る渚ちゃん。
海ちゃん
「…なんかジュースでも飲む?
ココアとか、
あったかいものがいい?」
渚ちゃん
「・・・・・じゃあ、、
ジュース飲む・・・・」
海ちゃん「わかった。」
海ちゃんがジュースを注ぐ間も
沈黙が流れる。
夏休みはあんなにたくさん話しながら
USJに遊びに行ったのに。
海ちゃんが黙って
ジュースをテーブルに置くと
渚ちゃんがそれを一口飲む。
渚ちゃん「・・・・・」
海ちゃん「・・・・・・・」
渚ちゃん
「・・・・・・・・」
海ちゃん「渚、、、?」
見ると、渚ちゃんの目から
ハラハラと涙が溢れている。
海ちゃん
「渚、、どうしたの、、」
渚ちゃん
「・・・・・・・・ママ、
ごめんね、、」
消え入りそうな声で、そう呟く。
海ちゃん「なんで渚が謝るの?」
渚ちゃん
「だって、、学校に行ってなくて、、
ママに心配かけて、、、」
海ちゃん
「そんな、、だってそれは
ママとパパが悪いから」
渚ちゃん
「ママは悪くない!!
ママのせいじゃない!
そうやってきっとママ、
自分のせいにするだろうなって
そう思ったから、、、
だから、、、
もっと学校行かなきゃなって
思って、、、」
海ちゃん
「・・・・・・そんな、
ママのために行かなくていい。
・・でも、、じゃあ渚は
月曜日と火曜日以外本当は
・・・・もっと学校には、
行きたくない・・・?」
渚ちゃん「うぅ、、、、」
そうなの?
月曜日と火曜日は、
どうしても起き上がれない。
けれど水曜日から金曜日は、
ママのために、
ママに心配をかけないために
なんとか心と身体を奮い立たせて
起き上がっているの?
海ちゃん「なぎさぁ、、、」
海ちゃんは立ち上がり、
向かい側に座っていた渚ちゃんを
思い切り抱きしめる。
渚ちゃんが海ちゃんの胸の中で
わんわん泣いて
ただただ泣いて、
海ちゃんはここでの涙は堪えた。
渚ちゃんは、30分は泣き続けていた。
そして
渚ちゃん
「クラスの子が言ったの。
もちろん多分、、
その子はうちのことなんて
全く知らないと思うから
ただ偶然に
思ったことを言っただけなんだけど
(親が不倫とかしてるところの子供って
なんか幸薄いよねー。
親もやばいし
一生幸せになれなそう。)って
それが、、苦しくなっちゃって、、」
子供が不登校になる理由。
それはとても些細で
とても重大なことだった。
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