登場人物
海ちゃん…18歳の時に出会った親友。
今は結婚して県外におり、3人の子供を育てている。
長女の渚ちゃんはもう高校生。
その下に次女の凪ちゃんと弟くんがいる。
川太…海ちゃんの夫。温厚で優しそうで家族想い。
と、誰もが思っていたが、実は部下と不倫をしていた。
まだ2人とも会社は辞めていない。
リク…24・5歳、海ちゃんの旦那の部下で不倫相手
家族仲、夫婦仲がとても良い夫婦と
海ちゃん本人も思っていた、しかし夫の本性は、、
川太が去った後、
涙が止まらなくて
身動きがとれない海ちゃんを
渚ちゃんが探しに来てくれた。
情けなさとありがたさと
気持ちはぐちゃぐちゃだ。
渚ちゃんと手を繋いで
家の中に入ると
下の子供達2人が玄関まで
駆け出してきた。
凪ちゃん
「ママー、お土産みて〜。
いっぱい買ってきたのー!」
弟くん
「僕が選んだんだよ!」
海ちゃん
「えー、ありがとう。
なになにー?」
弟くん
「まずは、綺麗な貝!
これね、海で拾ったんだよー。」
小さな手の中には
可愛くて小さな貝が
3個ちょこんと乗っている。
海ちゃん
「え!!これ拾ったの?
すっごく可愛い!!」
凪ちゃん
「なぎも拾ったの!凪のもあるよ!
ママ、見て!!」
海ちゃん
「わぁ!こっちは巻貝だね。
すごいね!」
凪ちゃん
「ママのこと考えながら
どれがいいかなって思いながら
拾ったんだよ。」
買ったものではなくて
自分のことを考えて選んでくれた
世界にたった1つの貝殻。
その純粋な気持ちが本当に嬉しい。
あぁ。私、幸せじゃん。
海ちゃんは涙を堪えながら
そう思った。
川太と一緒にいたら
気持ちが乱れっぱなしになるが
子供達と一緒にいると
嬉しいことの方が多い。
この生活を守らないと。
この頃の海ちゃんは
泣くことも悩むことも多かったが
些細なことが幸せだと感じることも
今まで以上に多かった。
けれど
コメントやメッセージでも
寄せてくれる人たちが多いが
やはりこの生活で一番
誰に、何に
しわ寄せが来ていたかというと
高校生の、渚ちゃんだった。