登場人物

 

海ちゃん…18歳の時に出会った親友。

今は結婚して県外におり、3人の子供を育てている。

長女の渚ちゃんはもう高校生。

その下に次女の凪ちゃんと弟くんがいる。

 

川太…海ちゃんの夫。温厚で優しそうで家族想い。

と、誰もが思っていたが、実は部下と不倫をしていた。

まだ2人とも会社は辞めていない。

 

リク…24・5歳、海ちゃんの旦那の部下で不倫相手

 

家族仲、夫婦仲がとても良い夫婦と

海ちゃん本人も思っていた、しかし夫の本性は、、

 

 

 

夏休みの旅行について

娘の渚ちゃんが自ら行きたいと言った

ユニバーサルスタジオジャパン。

 

 

海ちゃんは、嬉しかった。

 

 

渚ちゃんが自ら、

行きたいと思える場所があって。

そしてこんなに喜んでくれて。

 

 

 

いつも辛い時、思うのだ。

 

 

自分は何にこんなに

苦しみ、悩んでるんだろうと。

 

自分には、こんなに可愛い存在がいて

両親も近くにいる。

なのにどうしてこんなに

たった1人の裏切りが

ここまで心を壊してしまうんだろう。

 

 

自分の考え方一つなのに。

 

 

 

と、分かっているのに

どうにもならないから怖いのだ。

 

 

 

 

海ちゃんはその日、

川太にLINEをする。

 

 

 

海ちゃんLINE

「さっき、渚と話したの。

 

 私たちはやっぱりあなたとは

 一緒に旅行には行けないから

 凪と弟くんと、2・3泊

 過ごしてもらいたい。

 

 その計画は、あなたが立てて。

 子供達と話してもいいから。」

 

 

 

 

川太はすぐに既読になった。

 

 

 

川太LINE

「分かった。ありがとう。

 子供達と過ごさせてくれて。

 

 考えてみる。」

 

 

 

 

川太からの返信は、

その日はそれだけだった。

 

 

海ちゃんの家族は、

夏休みの旅行といえば

家族全員で考えて、

その計画の時間でさえ

とても大切で、かけがえのないものだった。

 

 

 

この先どういう家族の形になるのか

わからないけれど

今年のうちはこうなんだと

しっかり子供達に伝えなければ。

 

 

 

 

 

 

 

海ちゃん

「ねぇ弟くん、凪ちゃん

 今年の夏休みの計画なんだけどさ」

 

 

海ちゃんは早速

下の子供達2人に呼びかける。

 

 

 

凪ちゃん「うんうん。」

 

 

 

海ちゃん

「まず、旅行には行きます。」

 

 

 

弟くん

「うわーい!やったー!!」

 

 

 

海ちゃん

「だけど今年は渚ちゃんが

 受験の準備とかもあるから

 ママと2人で色々考えたり

 見学に行ったり

 しないといけないことが多くてね。

 

 だからママと渚ちゃんは、

 お留守番しようと思ってるの。」

 

 

 

弟くん

「えっ!!そんなのダメだよ!

 

 一緒じゃないと、渚ちゃんも

 ママもかわいそうだよ!!」

 

 

 

海ちゃん

「うぅん、全然かわいそうじゃないよ。

 だって渚ちゃんもママも、

 2人が生まれる前にも

 旅行に行ってたんだから。

 

 それに、ママは2人が嬉しいと 

 とーっても嬉しいんだよ!!

 

 だからね、聞いて。

 

 今年はパパと2人とで

 どこに行きたいか計画立ててくれる?」

 

 

 

 

凪ちゃん

「えっ、、凪たちが??」

 

 

 

 

任されて嬉しそうな表情と、複雑な表情と

凪ちゃんにも弟くんにも

両方の気持ちが入り混じっているのが見える。

 

 

 

 

海ちゃん

「そうだよ。もちろんある程度決まったら

 ママもその計画に参加する。

 

 あとさ、パパとの旅行から帰ってきたら

 もちろんママと渚ちゃんとも

 一緒にどこかお泊まり行こう。

 

 だから2人は、2回旅行があるの!」

 

 

 

 

それは、渚ちゃんと行く

ユニバーサルスタジオとは別に

もっと近場のどこかにと思っている。

 

 

 

子供達にも楽しんでもらいたいが

自分も楽しまなければ

そう思っているから。

 

 

 

こうやって海ちゃんは、1日1日

仕事も子育てもしながら

なんとか自分の気持ちに

折り合いをつけたり、

考え方を変えてみたりと

奮闘していたのだ。