登場人物
海ちゃん…18歳の時に出会った親友。
今は結婚して県外におり、3人の子供を育てている。
長女の渚ちゃんはもう高校生。
その下に次女の凪ちゃんと弟くんがいる。
川太…海ちゃんの夫。温厚で優しそうで家族想い。
と、誰もが思っていたが、実は部下と不倫をしていた。
まだ2人とも会社は辞めていない。
リク…24・5歳、海ちゃんの旦那の部下で不倫相手
家族仲、夫婦仲がとても良い夫婦と
海ちゃん本人も思っていた、しかし夫の本性は、、
渚ちゃんとやりとりをした
仕事からの帰り道
海ちゃんは川太にメールをする。
海ちゃんLINE
「あのさ、夏休みのことなんだけど
あなたは何か考えてた?」
送信した後、あっと思う。
もしかしたら今頃
常務や社長と
何か話しているのかもしれない。
海ちゃんはすぐに、
送信LINEを取り消す。
社長達と話した内容によっては、
旅行云々の話どころでは
無いかもしれない。
子供達にとって
夏の旅行は一大事だが
川太の仕事の環境が変われば
収入面も変わってくる。
収入が変われば海ちゃんも
仕事のやり方を見直さなければ。
夜になり、川太からLINEが入る。
川太LINE
「海からのメッセージが
送信取消しになってたから
次のメッセージ待ってたんだけど…
どうした?」
海ちゃんLINE
「あぁ、ちょっと子供達のことで
話したいことはあったんだけど
それよりあなたの方が
深刻な話になってるかなって
そう思ったから一旦取り消した。」
川太LINE
「あぁ、そうだったんだ。
社長と常務にはそれぞれ
お二人とも揃って話がしたいって
午後に伝えたよ。ただやっぱり
今日の今日では難しいって
明後日の夕方から
話せることになったんだ。」
まぁ確かにいきなり
上司2人に揃ってもらうアポなんて
簡単に取れるはずないか。
海ちゃんも納得する。
海ちゃんLINE
「そうだったんだ。
そりゃあそうだよね。
でも、明後日話聞いてくれるんだ。」
川太LINE
「うん。そうなんだ。ありがたいよ。
ちゃんと話してくる。
それで、、さっき海が取り消した
LINEの内容はなんだった?」
海ちゃんライン
「あぁ、、それなんだけど。
今朝弟くんが、、今年の夏休み
パパのところに行きたいって。」
川太LINE「えっ」
海ちゃんは今朝のやりとりを
LINEに書いて川太に伝える。
川太LINE
「そうか・・そんな風に
言ってくれてるのか・・・
でも・・海と渚は、、?
俺と旅行なんて、、
行きたくないよな?」
海ちゃんLINE
「それは、、うん。子供たちの前で
どういう顔して
一緒に行動したらいいのか
わからないから・・無理かな。
渚も無理だって。」
川太LINE
「・・・・・・・・そうだよな・・」
海ちゃんは少しの間返信を躊躇う。
今、川太と子供たちを
会わせたくないという感情はない。
むしろ子供たちは喜んでいるし
川太が子供たちの前で
余計な話をしたり害を与えることはないと
そこだけは理解している。
ただ、、、自分の黒い感情が
この人、こうして離れては暮らしてるけど
実家で何不自由なく生活出来て
普通に仕事に通って
むしろ子育ての大変なところを
全然見てなくて
楽しい旅行には行ける。
何これ。
そんな風に、思ってしまうのだ。
やっぱり、次の返信は後にしよう・・
海ちゃんは持っていた携帯を
テーブルの上に、うつ伏せにおいた。