登場人物
海ちゃん…18歳の時に出会った親友。
今は結婚して県外におり、3人の子供を育てている。
長女の渚ちゃんはもう高校生。
その下に次女の凪ちゃんと弟くんがいる。
川太…海ちゃんの夫。温厚で優しそうで家族想い。
と、誰もが思っていたが、実は部下と不倫をしていた。
まだ2人とも会社は辞めていない。
リク…24・5歳、海ちゃんの旦那の部下で不倫相手
家族仲、夫婦仲がとても良い夫婦と
海ちゃん本人も思っていた、しかし夫の本性は、、
川太電話
「それで、、渚たちは、、、、」
川太が、子供達のことを話題に出した。
海ちゃん電話
「渚たちは、なんなの？」
川太電話
「・・・元気かなと思って…」
海ちゃん電話
「元気だと思う？」
川太電話
「…元気、、なわけないよな。」
海ちゃん電話
「下の子たちは何も知らないから
あなたのいない生活にも
なんとなく慣れてきてるけど
渚は、、、完全に前よりも
口数が減ってる。
私の方でもなるべく明るく
話しかけるようにしてるけど、、
心の傷は、あなたが思っている以上に
相当深いから。」
川太電話
「完全に、、俺のせいだ・・・」
海ちゃん電話
「当たり前よ。明らかに
あなたのことがわかった日から
変わったんだから！」
川太電話
「・・そうだよな、、」
海ちゃん電話
「私が苦しいのは！あの子
引きこもったりするんじゃなくて
むしろ私の手伝いを
沢山してくれるようになった。
お母さん大丈夫？キツくない？
って言いながら、洗濯とか家事とか
今まで全然やらなかったのに！」
川太電話
「渚、、そんなに海のこと、、
助けてくれてるんだな、、」
海ちゃん電話
「うぅ、、、渚の気持ち考えたら
苦しくて苦しくて、、、
ほんっとうに、なんで？
不倫するにしても
なんでそんな、誰にでも
見つかるようなところになんて
行ったりしたの！？
もう、それが許せない！」
川太と話していると同じことで、
何度も何度も、同じ温度で
怒りが溢れてくる。
今はこうして、
離れて暮らしていることが
海ちゃんにとっては、いい状態だと思う。
顔を見たり声を聞いたらやはり
罵ってしまうのだ。
川太電話
「毎日毎日、後悔しかしてない。
家族のことも仕事のことも、、
どうしてあの、、
彼女と付き合ったことで
彼女のために、ここまで人生を
狂わせたんだろうって。
なんの価値もなかったことなのに・・」
海ちゃん電話
「それはこっちが聞きたいから。」
川太電話
「だから、、本当に、、
俺の過去のことで
苦しめてるかもしれないけど
この先全体に俺は
家族を苦しめるようなことは
絶対にしないって
自分自身に誓ってるから、、
もし離婚になってもそれは
絶対にそうだから、、、
過去のことで、渚や海のことを
救うことは出来ないけど
未来のことでは絶対に
傷つけないから・・・」
海ちゃん
「そんなの当たり前だから・・」
と言いながらも、
当たり前に出来ていな人は世の中多い。
反抗的でも、モラハラ的でもないだけ
マシだと思う人もいるかもしれないが
この時の海ちゃんは、
生きた心地も記憶もない。
いつになったらこの暗い暗い
トンネルから抜け出せるのか。
今来た道も、この先の道も
真っ暗に見えていた。
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