登場人物
海ちゃん…18歳の時に出会った親友。
今は結婚して県外におり、3人の子供を育てている。
長女の渚ちゃんはもう高校生。
その下に次女の凪ちゃんと弟くんがいる。
川太…海ちゃんの夫。温厚で優しそうで家族想い。
と、誰もが思っていたが、実は部下と不倫をしていた。
まだ2人とも会社は辞めていない。
リク…24・5歳、海ちゃんの旦那の部下で不倫相手
家族仲、夫婦仲がとても良い夫婦と
海ちゃん本人も思っていた、しかし夫の本性は、、
この場に集まっているのは、
リクとリクの母親、川太と川太の両親
海ちゃんと海ちゃんの両親
川太の会社の社長は
集まりごとが大好きで
年に1度と言わず何度も
様々な行事を行っては
家族でも恋人でも連れてきて
一緒に参加出来るようになっている。
そこで出会って、
結婚する人もいるし
集まりごとが好きではない人は
何も参加しなくても良いのだが
そういう社風なのでそもそも
入社してくる人自体が
そういう行事に抵抗がない人が多い。
そんな中での社内不倫。
バレてないと思っていた川太は
どういう
お気楽な思考をしているのだろう。
海ちゃん電話
「こんなことで会社を辞めて
近所の人になんて言うの？
離婚したとしても
お互い共通の知り合いが多すぎる。
しばらくは私もそうだけど
子供達・・本当に肩身の狭い
思いをするわ。
もう、私たち夫婦の問題だけでは
なくなってくるわね。」
田舎ではSNSなんてなくても、
光の速度で噂が回ることを
川太はわかっていない。
川太電話
「ごめん、、」
海ちゃん電話
「とにかくまずは、リクの母親と
お金の問題も解決して。
あなたのお嬢さんは
他の人とも付き合ってたじゃないですか
って言ってみたらどう？
そもそもあの母親はそれも
知らないかったんじゃないの？」
川太電話
「あぁ、、そうか、そうだね、、」
心ここに在らずの返事。
お金のことより、
自分の保身の方が大切なのだろう。
川太電話
「明日、、、辞表を出すよ、、
少しの間迷惑かけるけど
すぐに新しい仕事探すから。」
海ちゃん電話
「…すぐに探すって、、
そんなに簡単に今のお給料に
近いところが見つかるとは思わないけど
そこはあなたの問題だから
仕方ないわね。」
そうは言いながらも
これから子供達3人には
進学などのお金が
どんどんかかってくるという時に
なんてことを、、
あらためてそういうことが
ジワジワボディーブローのように
効いてくる。
海ちゃんは電話を切って
この件を両親に伝えた。
特に父親は怒って、
川太がリクの母親に連絡をしないなら
自分が伝える！と興奮していた。
◆
翌日。
お昼、川太から電話が鳴る。
普段この時間に
電話がかかってくるなんてことは
1度もなかった。
嫌な予感がする。
海ちゃんは、恐る恐る電話に出る。
海ちゃん電話
「はい、、、、、、、」
川太電話
「海・・・・どうしよう・・・」
海ちゃん電話
「は？何が？」
川太電話
「今朝、上司に辞表を出そうと思って
タイミングを見てたんだけど
その前に、、内線があって、、、
午後に常務に呼び出された。」
海ちゃん電話
「なんのことで？」
川太電話
「それが、まだ、、」
海ちゃん電話
「何も聞かされてないのね。
じゃあこの電話何？」
川太電話
「いてもたってもいられなくて・・」
海ちゃん電話
「なんでそんな時間をわざわざ
私に共有させるの？！
終わってから連絡して！」
腹が立ち、海ちゃんは電話を切った。