登場人物
海ちゃん…18歳の時に出会った親友。
今は結婚して県外におり、3人の子供を育てている。
長女の渚ちゃんはもう高校生。
その下に次女の凪ちゃんと弟くんがいる。
川太…海ちゃんの夫。温厚で優しそうで家族想い。
と、誰もが思っていたが、実は部下と不倫をしていた。
まだ2人とも会社は辞めていない。
リク…24・5歳、海ちゃんの旦那の部下で不倫相手
家族仲、夫婦仲がとても良い夫婦と
海ちゃん本人も思っていた、しかし夫の本性は、、
この場に集まっているのは、
リクとリクの母親、川太と川太の両親
海ちゃんと海ちゃんの両親
海ちゃんの母親からの150万円を
借金の返済に充てたという
リクの母親。
そしてそれは、
リクも知らなかった事実だった。
海ちゃんはこのことを
どうしてもリクの父親に
伝えたいと思ったが
今ここでは伝え方がわからない。
(あぁ…川太なら、家も知ってるか、、
もし知らなくても
川太の立場なら、会社で調べたら
きっとわかるはず)
海ちゃんはそう思いながら
川太のことを見たが
この男はまだ、目を潤ませている。
海ちゃんの父
「もう、これ以上聞いても
意味がないですね。
とにかくこれから娘は
川太くんとリクさん、2人に
正当に慰謝料を請求します。
支払わないなら裁判なので
その際はどちらにしても
リクさんがご実家暮らしなら
お父さんにバレますよ。」
リク
「だから、お金ないですって!
お父さんにもしバレても
うちが大変なことになるだけで
一円も払ってくれないですよ!」
海ちゃんの父
「・・・・あのね、リクさん。
たとえお金がなかったとしても
あなたの態度は
人に対して誠意がないんですよ。
最初からただ一言
ちゃんと謝ってくれただけでも
娘の感情は違ってたのに
逆効果ですよ。」
リク
「・・・だって、
ないものはないのに
なんて言えばいいんですか?
最悪親にでも借りようかなって
思ってましたけど、
まさか借金があるなんて
今の今まで知らなかったですし
最悪ですよ。」
最悪なのは、こっちなんだが。
海ちゃんの父
「わかりました、とにかくもう
お開きにしましょう。
話すことは何もないです。」
リク
「・・・・・・・・・・」
リクが、川太の顔を見つめる。
海ちゃん
「・・・・・・・・・
まだ夫に、
何か言いたいことでも?」
リク
「、、、、、、、、、
やっぱり、
どういうつもりだったのかなって
思って。奥さんと子供のことが
そんなに大切なら
なんで私と付き合ったのかなって。」
リクはまだ、未練がありそうだ。
川太
「・・・・・・・ごめん。」
リク
「それじゃあ理由には
一切なってないけどね。」
川太
「理由とかは、、、
そこまで深く、、
考えてなかったから、、
ごめん、、、」
するとリクはバンっと
勢いよく立ち上がり
川太を鬼の形相で睨む。
リク
「・・・・・・・・
・・・許したくない。
お母さん、行くよ。」
リクはそう言い捨てて
わざと大きな音を立てながら
その場を去っていった。
リクが部屋から
出たか出てないかのタイミングで
川太の父親が、
川太の後頭部をバシンと叩いて
川太は一瞬反応したものの
すぐに俯いた。