登場人物

 

高崎 舞香さん…39歳 今回の主人公。

4歳の娘(日菜ちゃん)がいる。

相談相手は実のお姉さん。(春香さん)

現在夫とは別居しており、引っ越して

娘と二人暮らしを始めている。

現在パート勤めから正社員に。

 

 高崎 誠……40歳 舞香さんの夫。

ある日突然、好きな人がいるから

離婚したいと舞香さんに告げる。

相手は同じ部署の(藤沢美波)という女性。

しかし、浮気相手は1人ではなかった。

 

美波は誠と付き合う前に、同じ会社の上司と

不倫関係にあり、奥さんの前で別れていた。

しかし、また水面下で始まって・・

 

 

 

 

舞香さんと、不倫上司の奥さんと

美波のお姉さん。

 

 

3人とも、というか特に

美波のお姉さんは

全く状況も立場も違うわけだが

なんとなく、

美波被害者の会的なこの集まりで

皆の中に、ケセラセラの風が吹いた。

 

 

 

不倫上司の奥さん

「私たち、、幸せになりましょうね。

 

 本当の幸せって、、

 多分お金じゃあないですよね。

 

 いや、お金が大事ですけど。

 

 

 あぁ私ったらずっと1人で

 お金の話ばっかり!

 嫌になっちゃう。」

 

 

 

舞香さん

「いえ、私はそういうことが

 素直に口に出せないだけで

 本当はお金のこと、不安ですよ。

 

 だって結局世の中、離婚した後

 7割くらいの男性が

 養育費を払ってないって

 言うじゃないですか。」

 

 

 

不倫上司の奥さん

「そうみたいですね。

 

 男は本当、身勝手ですよ。

 

 でも、、こう考えませんか。

 

 男は子供を産むという

 幸せを知らない。

 

 その幸せはお金じゃ買えない。

 

 

 ・・・っていくら思っても

 実際問題生活に困窮したら

 そんなこと言ってる場合じゃあ

 ないんですかね。」

 

 

 

舞香さん

「いえ、、その考え方いいですね。

 なんか、前を向けそうです。」

 

 

 

不倫相手の奥さん

「そしたら、3人でお酒

 1杯くらい飲んじゃいましょうか。」

 

 

 

それからこの奇妙な集まりの3人は

お酒を飲みながら

結局さらに1時間以上話し込み

 

舞香さんは、誠の他の女たちの話も

ネタのように話せることができた。

 

 

 

この出来事は舞香さんにとって

意外にも大切な転機となった。

 

 

これまでずっと内にこもって

塞ぎ込んでいた気持ちが

解放されたのだ。

 

 

 

 

 

 

それから美波とへっぴり腰おじさんは

本当に産婦人科に行ったと

奥さんから連絡があり

 

 

そして、信じたくはなかったが

美波は本当に妊娠していたそうだ。

 

 

 

 

不倫上司の奥さん電話

「…本当はちょっと、美波が

 嘘をついてるんじゃないかって

 疑ってたんですけど・・・

 

 実際にエコーを見た夫は

 すごくショックを受けてました。」

 

 

 

舞香さん電話

「…そうだったんですか…

 

 それは、奥さんのお気持ちも、、」

 

 

 

自分が同じ立場だったらと

想像するだけでも耐えられないが

あり得ない話ではなかっただけに

その後の言葉が思いつかない。

 

 

 

不倫上司の奥さん電話

「…なんか、、

 どうしたらいいんでしょうね。

 

 堕して欲しいとまでは

 言う権利無いと思ってますけど

 うちの子供達に、、腹違いの兄弟が

 生まれるわけですよね・・・」

 

 

 

舞香さん電話

「ご主人は、なんて?」

 

 

 

不倫上司の奥さん電話

「夫は、私にただ

 すまないって何度も

 謝ってるだけです。

 

 あなたはどうしたいの?

 って聞いたら

 

 自分のせいだし、赤ちゃんに

 罪はないと分かってるけど

 産んで欲しくないと。

 

 でも、エコーまで見せられたら

 心のどこかでは

 この世に出てき欲しいとも

 思っていると言ってました、、、」

 

 

 

舞香さん電話

「・・・・・・・・」

 

 

 

不倫上司の奥さん

「私、、矛盾してますけど、、

 

 夫がただただ、子供を

 堕して欲しいという気持ち

 一択ではなかったことに

 ちょっと

 安心している自分もいるんです。

 

 言ってること

 おかしいかもしれませんが、、」

 

 

 

か細い声で言いながら、

電話越しの奥さんの声が

震えていた。

 

 

 

 

 

 

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