登場人物
海ちゃん…18歳の時に出会った親友。
今は結婚して県外におり、3人の子供を育てている。
長女の渚ちゃんはもう高校生。
その下に次女の凪ちゃんと弟くんがいる。
川太…海ちゃんの夫。温厚で優しそうで家族想い。
と、誰もが思っていたが、実は部下と不倫をしていた。
リク…24・5歳、海ちゃんの旦那の部下で不倫相手
家族仲、夫婦仲がとても良い夫婦と
海ちゃん本人も思っていた、しかし夫の本性は、、
母親にやっと、
川太の不倫を打ち明けられた日の夜
海ちゃんはママ友のスピ子さんに
50万円のパワーストーンを
売られそうになっていた。
すごく親身になってくれたので
最初は、
騙されているかもしれないなんて
思いもよらなかったらしい。
ただ、金額が大きかったので
普段ならお金のことは
川太に相談するところを
私に連絡があったという流れだ。
そのパワーストーンの件があったのは
5月の出来事。
それから海ちゃんはすぐには
川太と話し合う気にもなれず
会う気分にもならず
下の子供達にはただただ
パパは仕事などで忙しいと
説明したままだった。
渚ちゃん
「ねぇ、、凪たちにはそろそろ
パパのこと話さなくていいの?
まだ全然気にしてないみたいだけど
ずーっとこのままっていうのも
怪しまれるかもよ・・」
そう言い出したのは
長女の渚ちゃんだった。
海ちゃん
「…そうだね、、毎日ちゃんと
話さなきゃって
思ってはいるんだけど、、、
なんて言えばいいか
考えれば考えるほど
どうしたらいいのか
わからなくなっちゃうの。」
渚ちゃん
「ママがそこまで悩むことないって。
私が話そうか?しばらくパパが、
帰って来れなくなったって。
理由なんて言わなくてもいいと思う。
私はただ、
とにかくパパがしばらくいないって
それだけは伝えた方がいいなって
思っただけだから。」
海ちゃん
「・・そうだね、なんか渚の方が
しっかりしてる。
ママはダメだね。」
渚ちゃん
「そんなこと言わないでよ。
ダメなのはパパだから!
本当はこんなこと
パパが自分で説明しろって
思ってるけど
絶対に上手く話さないだろうから
逆に凪達が傷つかないためには
パパが説明しない方がいいと思ってる。」
海ちゃん
「そうだね、パパの説明じゃあ
余計なこと言いそうだもんね、、」
もう完全に、渚ちゃんからの信用は
地に落ちている。
海ちゃん
「でも、、実際に離婚となると
渚はどう思う?」
渚ちゃん
「…ママががいいなら
私はそれでいい。。。
ただでさえ今、ママは悩んでるでしょ。
それで私が、こうして欲しい
なんて言っても
もっと迷わせるだけだから。」
海ちゃん
「渚、、、そんなことない。
渚の気持ち、本当の気持ちがあるなら
聞かせて欲しい。
それが、明日気が変わってもいい。
ママだって毎日
気持ちが変わるんだから。」
渚ちゃんは、しばらく俯く。
そして
渚ちゃん
「離婚はしないで欲しい。」
海ちゃん
「・・・・・・・・・・」
渚ちゃん
「でも、一緒に住みたくはない。
・・・ママの言うように明日は
気が変わるかもしれない。
だけど今は、周りのみんなに
パパがいない子だと思われたくないの。
だって、、凪たちはまだ、、」
なるほど、そういうことか。
今の渚ちゃんは
川太に、川太だから
パパでいて欲しいわけではない。
親が離婚した子とか
パパがいない子になるのが
怖いと思っているのだ。
海ちゃん
「うん、、そうだよね、、
ママもね、、離婚した人だって
周りに思われるのが怖いの。
この地域だと、
離婚ってやっぱりまだ
珍しいもんね、、」
自分が愛した妻や娘が
こんなに悩んでいることを
川太は目の前で見ていない。
私にはそれが本当に、歯痒かった。
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