登場人物
海ちゃん…18歳の時に出会った親友。
今は結婚して県外におり、3人の子供を育てている。
長女の渚ちゃんはもう高校生。
その下に次女の凪ちゃんと弟くんがいる。
川太…海ちゃんの夫。温厚で優しそうで家族想い。
と、誰もが思っていたが、実は部下と不倫をしていた。
リク…24・5歳、海ちゃんの旦那の部下で不倫相手
家族仲、夫婦仲がとても良い夫婦と
海ちゃん本人も思っていた、しかし夫の本性は、、
ママ友で、お葬式の手伝いにも
きてくれたスピ子さん。
海ちゃんはもちろん
彼女のことを信頼していた。
海ちゃん
「実はさ、、この1週間でほんっとうに
いろんなことがあって……」
スピ子さん
「そうなの?……その話
私でよければいつでも聞くよ。」
海ちゃん
「ありがとう・・・
でも、、家族のことだから
自分でなんとか
解決しないといけないなって
思ってるんだけどね・・・」
スピ子さん
「だけど、無理はダメだよ。
自分の心に無理をしたら
いつか壊れてしまうから。」
海ちゃん
「そうだね・・・そうなんだよね・・
ねぇ、、スピ子さんは
本当に辛い時
どうやって乗り越えてる?」
この質問が、この時のスピ子さんに
海ちゃんの心の隙を
見せることになってしまったのかな。
スピ子さん
「そうだね・・私も心はあまり
強くない方だし、友達に
本心を打ち明けるのも
あまり上手くない方だから…
信じられるものが見つかった今は
ちょっと心が落ち着いてる。」
海ちゃん
「信じられるものが見つかった今・・?」
スピ子さん
「そう、なんでも悩みを聞いてくれる
先生みたいな人がいて
その人に話したら、心が軽くなる方に
導いてくれたっていうか・・」
ついでにお金も
めっちゃ払ったっていうか。
その日は、海ちゃんにはまだ
後片付けやご挨拶の役割もあったので
スピ子さんとは深く話さなかったが
スピ子さん
「とにかくその悩み、深刻そうだから
ちょっと聞かせて。
内容まで詳しく話さなくても
誰かに聞いてもらえるだけで
楽になったりするでしょ。」
海ちゃん
「うん、そうだね。ありがとう。
じゃあまた明日にでも
連絡するからね。」
そう言って、翌日の電話で
パワーストーンがフンチャかほんちゃかの
話になったわけです。
海ちゃんにとって、
世界で一番信頼していた人の裏切り
大好きな人との死別
こんな辛いことが一気に訪れたこの数日は
これまで感じたこともないほどの
悲しみと痛みで
藁をもすがる思いだったに違いない。
過去にも友人が、
学生時代にお母様を亡くされて
その翌日に親類の方から
宗教の勧誘をされたことがあると
聞いたことがあるが
そういう話って、ハッピーな時に
心が元気な人の元にはやってこない。
誰かに、何かに寄りかかりたい
そんな心の隙がある人に
付け入るようにやってくる。
周りから見たら、
自分は決してそんなことに騙されない
と思うかもしれないが
長年の友だったり、信頼している人から
そういう話を持ちかけられた時
心が傾いてしまう人の気持ちはわかる。
だからこそ悩んだ時は
1人だけじゃなくて
何人かに相談出来るような人間関係を
普段から作って置けたらいいなと
今回の海ちゃんのことで実感したのだ。
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