登場人物

 

高崎 舞香さん…39歳 今回の主人公。

パート勤めをしており、

 

4歳の娘(日菜ちゃん)がいる。

相談相手は実のお姉さん。(春香さん)

 

 高崎 誠……40歳 舞香さんの夫。

ある日突然、好きな人がいるから

離婚したいと舞香さんに告げる。

相手は同じ部署の(藤沢美波)という女性。

 

 

 
アンナの元夫さん電話
「・・僕は、、
 父親でした。
 
 
 私の、子供でした!
 
 うぅ、、、」
 
 
 
 
この知らせは、毎日辛い思いばかりの
舞香さんにとっても
嬉しい涙を流せる唯一だった。
 
 
とはいえ
 
 
 
元夫さん電話
「ありがとうございます・・
 本当にありがとうございます。」
 
 
 
舞香さん電話
「いえ、、なんか私
 一緒に喜ばせていただいてますけど
 よく考えてみたら元夫さんに
 連絡したのは私でしたから、、、
 
 申し訳ないです・・
 
 私が伝えたりしなければ
 こんなに悲しい数日間を
 過ごさせてしまうことも
 なかったわけですよね・・・」
 
 
 
舞香さんはこの数日、
それが気になっていた。
 
絶対に元夫さんの子であって欲しいと
それだけを願っていたのはもちろんだが
もしそうだった場合、
自分はどれだけ余計なことをしたのかと
自身を責めたりもした。
 
 
 
元夫さん電話
「いや、そんなことないです。
 舞香さんが連絡をくださったから
 小池とのこととか
 アンナの正体が分かったんです。
 
 それに、今回の件でよくわかりました。
 
 血が繋がっていてもそうじゃなくても
 わたしにとって我が子は
 自分の命より大事な存在だと。
 
 だから、むしろ感謝してるんです。
 だってこの証拠のおかげで
 親権を取り戻すために、
 戦えるんですからね!!」
 
 
 
舞香さん電話
「そうおっしゃっていただけて・・
 
 うぅ、、本当に、、
 お子さんのこと、よかった・・」
 
 
 
 
元夫さん電話
「はい、ありがとうございます。
 ありがとうございます!
 
 なんか、、不思議なんですけど
 わたしは今までより
 生きる希望が湧いてますよ。」
 
 
 
舞香さん電話
「生きる、、希望ですか・・」
 
 
 
元夫さん電話
「そうです。舞香さん。
 あなたにも大切な
 お子さんがいらっしゃいますよね。」
 
 
 
舞香さん電話
「はい。その通りです。」
 
 
 
元夫さん電話
「その命を授かれたことだけでも
 元妻には感謝します。」
 
 
 
舞香さん電話
「・・・確かに、、そうですね、、」
 
 
 
元夫さん電話
「もちろん、そんな子供やわたしを
 裏切ったことなどについては
 アンナと徹底的に戦いますし
 制裁を与えてやりますよ。
 
 だけど、そんな奴のためにもう
 悲しんだり立ち止まったり
 暗い顔したりするのはもう
 終わりにしたいと思います。
 
 多分この気持ちは、
 今回の鑑定結果が親子と認定されなくても
 同じです。だって僕は、
 子供を引き取るつもりでしたから。」
 
 
 
 
舞香さん電話
「ご主人は、、強いですね。」
 
 
 
元夫さん電話
「はい、強いです。」
 
 
 
この場面で、
でも僕だって実は弱いんですよ。
 
とか言わないご主人が
かっこいいと思った。
 
 
 
 
元夫さん電話
「舞香さんも、今すぐには
 難しいかもしれませんけど
 いつかお子さんのために
 前をしっかり向いてください。
 
 どう生きても、1日は1日ですよ。
 
 あいつらのために、辛い気持ちで
 自分の頭の中を1日使うのは
 勿体ないってもんです。」
 
 
 
 
舞香さんの胸が、少しスッとする。
 
 
 
 
舞香さん電話
「確かに、、そうですね。
 今なんかその言葉
 ストンと胸に落ちます。
 
 そういえば、小池さんのことは
 どうなったんですか?」
 
 
 
元夫さん電話
「あぁ、殴りました。」
 
 
 
舞香さん電話「え?」
 
 
 
元夫さん電話
「殴って、その日に一緒に飲んで
 2人で泣いて
 だけど仕事のパートナーは
 あいつしかいないと思ったんで
 
 お互いバカな女に騙されたよなって
 それでもう、
 わだかまりは終わりにしました。」
 
 
 
舞香さん電話
「それで、、許せたんですか?」
 
 
 
元夫さん電話
「まぁ、許すとか許さないとか
 もうそんな感じじゃなくて
 
 
 なんでしょうね。
 
 
 夫婦は再構築出来なかったですけど
 小池とは、再構築ですね。」
 
 

元夫さんの潔さは、
舞香さんの背中を

少しだけ押してくれた。


 
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