登場人物
海ちゃん…18歳の時に出会った親友。
今は結婚して県外におり、3人の子供を育てている。
長女はもう高校生。その下に次女ちゃんと
弟くんがいる。
川太…海ちゃんの夫。温厚で優しそうで家族想い。
と、誰もが思っていたが、実は部下と不倫をしていた。
リク…24・5歳、海ちゃんの旦那の部下で不倫相手
家族仲、夫婦仲がとても良い夫婦と
海ちゃん本人も思っていた、しかし夫の本性は、、
リクとの会話にも腹が立つが
何より川太が嘘をついていたことも
その前後の言動にも全て
腹が立つのだ。
海ちゃん
「昨日はあなたの方から
会いに行ったくせに
それで魔が刺しただなんて、、
あの子の言い方は
どうかと思ってるけど
彼女との未来、
なんとかなりたいなんて
思ったこともないなんて
・・最低だからね。」
川太
「最低なのわかってるけど・・
どうしたらいい?」
海ちゃん
「は?何が?
まずはもうあなたが
昨日彼女の家に行った時点で
全て終わりなの!」
川太
「だからそれは、
別によりを戻したいとか
そういう気持ちじゃないんだって・・」
こんな話を続けても、堂々巡りだ。
この後また叔母さんのことで
母親のところに行かなければいけないし
こんな時、叔母さんなら
なんて言ってくれてたんだろうと
叔母さんへの恋しさがより募ってくる。
海ちゃん
「もう、、勝手にして、、
とにかく子供達連れて
先に出てくれるかな。
叔母さんのことが落ち着くまでは
この話をしたくても
私も冷静ではいられない。」
川太
「・・それは・・そうだよな。。」
海ちゃん
「でも、お義父さんたちには
ちゃんと話してよ。」
川太
「えっ、でもこんな時に
言わなくても・・・」
海ちゃん
「じゃあこの苦しみを
私1人で抱えておけっていうの?」
川太
「だから、そういう事じゃないって
どうしたらわかるのかな・・」
海ちゃん
「・・・もういい、、」
海ちゃんはため息をついて
部屋を出た。
リビングでは、弟君が
おもちゃのレゴをばら撒いて
遊んでいた。
1人になりたい。
でも、そんなわけにいかない。
海ちゃんは散乱したおもちゃを避けて
洗面所に向かう。
鏡に映る自分の顔が
みずぼらしく見えた。
◆
本意ではないが、
子供達のことを川太に任せ
叔母さんの家にきた海ちゃん。
自宅に戻ってきている
もう動くことはない叔母さんを見て
海ちゃんは声を上げて泣いた。
その海ちゃんを見て、
母親もまた一緒に泣く。
海ちゃん
「叔母ちゃん、もっといっぱい
話したいことあったんだよ、、
聞いて欲しいこと、あったんだよ、、
これからどうしよう・・・
おばちゃん、、、」
泣き喚く海ちゃんの背中を
母親も泣きながらさする。
海ちゃんの母
「海、、心配させるようなこと
言わないのよ。
そんなこと言ったら姉さんが
心配して成仏できないでしょ、、」
海ちゃん
「そうだよね、、そうだよね、、」
だけど、どうしようもない。
こんな悲しみや苦しみが
いつまで続くんだろうか。
時間が解決してくれると言うけど
それはいつなんだろうか。
お昼過ぎ、川太からラインが入った。
川太
「もし良かったらだけど、、
今日子供達はうちの実家で
食事させるから
そのまま泊まらせる?
海ちゃん寝てないから、、
1人で家で休んだらどうかな・・
こんなの言えた義理じゃないけど
身体が心配で・・」
その前に川太は、
この憔悴しきった海ちゃんを
1人にさせる方が心配だとは
思えないんだろうか。