登場人物
海ちゃん…18歳の時に出会った親友。
今は結婚して県外におり、3人の子供を育てている。
長女はもう高校生。その下に次女ちゃんと
弟くんがいる。
川太…海ちゃんの夫。温厚で優しそうで家族想い。
と、誰もが思っていたが、実は部下と不倫をしていた。
リク…24・5歳、海ちゃんの旦那の部下で不倫相手
家族仲、夫婦仲がとても良い夫婦と
海ちゃん本人も思っていた、しかし夫の本性は、、
朝の9時ごろ
海ちゃんは長女ちゃんに
弟くんたちから目を離さぬよう
リビングにいてもらうようにお願いし
長女ちゃんの部屋で、
リクに電話してみることにした。
海ちゃん
「・・・・・・・・・」
リクは電話に出なかった。
海ちゃんが1つ、ため息をつく。
海ちゃんの番号は知っている。
もしかしたらこの後、
川太に電話してしまう?
もしそれなら、しくじった?
どうしよう・・慌てすぎたか?
心臓の奥が、ぎゅーっと
締め付けられるような感覚になりながら
手の中に、私が送ったLINEの1文
(昨日、主人がそちらに
伺った件ですが)
と書いたメモを見る。
もしもリクが電話に出たら
咄嗟に何も話せなくなる、と
思ったからだ。
だけどよく考えてみたら
どうしてこっちがこんな思いをして
生きているんだろうか。
長女のベッドに横になると
長女の匂いがして、涙が溢れる。
こんなに可愛い子がいるのに
あいつはどうして・・・
その時
海ちゃん(リクだ!)
海ちゃん電話「はい。」
リク電話
「・・・・・・・あの
着信があったので、、」
海ちゃん電話
「誰かお分かりですか?」
リク電話
「はい、わかってます。
奥さんですよね。」
海ちゃん電話
「どうして電話をかけたか
理解されてますか?」
リク電話
「・・・・・
昨日のことなら
話したくありません。」
海ちゃん電話
「・・・・・・・・」
一瞬で、手足が痺れてきた。
手のひらの中のメモを
ジィっと見つめる。
海ちゃん電話
「……昨日、、、
朝早くから、、
何を話してたんですか・・」
怒りとショックで震える声を
なんとか抑えるのに、必死だった。
リク電話
「本人が言わないなら、、
私は言いたくありません。
ご主人から、
聞いたらいいじゃないですか。」
やっぱり、会っていた。
あんなに真剣な顔をして
さも俺は、嘘などついていないと
当たり前の顔をして
嘘をついていた。
優しい夫だと思っていたあの人は、
一体誰なの?
前日にあんなに話して、謝ってきて
反省した顔をして、、
リク電話
「・・・の、あの!」
海ちゃんは、リクの呼びかけで
我に返ったが、
勝手に涙が溢れ出てきて
惨めな気持ちで、それをぬぐった。
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