登場人物

 

海ちゃん…18歳の時に出会った親友。

今は結婚して県外におり、3人の子供を育てている。

長女はもう高校生。その下に次女ちゃんと

弟くんがいる。

 

川太…海ちゃんの夫。温厚で優しそうで家族想い。

と、誰もが思っていたが、実は部下と不倫をしていた。

 

リク…24・5歳、海ちゃんの旦那の部下で不倫相手

 

家族仲、夫婦仲がとても良い夫婦と

海ちゃん本人も思っていた、しかし夫の本性は、、

 

 

 

朝早くに実家を出て

どこかにいなくなっていた川太。

 

お義父さんも海ちゃんも

しばらく連絡が取れなかったのに

「会社に連絡する」と伝えた途端

返信が来たり、

 

今の場所から写真を送れと言ったのに

近所に戻ってきてから送ってきたり

もうすでに、怪しいところしかない。

 

 

 

川太LINE

「ちょっと運転してて

 すぐに返信出来なくてごめん。

 

 早く帰った方がいいと思って

 もう近所まで帰ってきたよ。」

 

 

 

海ちゃんLINE

「もうあなたのこと、

 何にも信じられなくなった。

 

 こんな時に黙って出かけるとか

 連絡取れないとか、最低だね。」

 

 

 

川太LINE

「ちょっと待ってよ。

 どうして1人で勝手に怒ってるの?

 眠れなくてドライブしてただけだよ。

 

 色々考えたくて、

 一旦車に携帯置いて降りてたから

 本当にわからなかったんだよ!」

 

 

 

 

もしかしたら本当に

そういうこともあるかもしれない。

 

1人で考えたい時に

携帯を持たないこともあるかもしれない。

 

けれどもう海ちゃんは完全に

疑心暗鬼になっている。

 

 

 

海ちゃんLINE

「こんな状況で連絡取れないとか

 もう意味わかんないから!

 

 とにかく実家に帰ったら

 お義父さんたちに謝って

 本当のことを話して!

 

 昨日は無理だって言ってたから

 私も一晩待った。

 眠れないのも考えたいのも

 こっちだから!」

 

 

 

川太LINE

「それはそうだけど・・・

 

 ひとまず家に帰るから

 また少し携帯見れなくなるけど

 着いたら連絡する。」

 

 

 

電話を切って、海ちゃんは

リクに連絡したくてたまらなかった。

 

嘘をつかれるのもわかってるけど

苦しい。

苦しくて苦しくて、息が出来ない。

 

 

 

その時

 

 

 

実家の母親から電話が鳴る。

 

 

 

こんな時間に

電話がかかってくることなど

ほとんどない。

 

 

今電話に出てしまったら

母親の声に、泣いてしまうかな。

 

 

 

いっそ本当のことを伝えようか。

 

 

一瞬でいろんなことを

ぐるぐると考えながら電話に出る。

 

 

 

 

海ちゃん電話

「はい、、」

 

 

 

海ちゃんの母親

「うぅ、、、海、、、うぅ、、」

 

 

 

電話越しに突然、

母親が泣いていたので

海ちゃんは驚いた。

 

 

 

 

海ちゃん電話

「えっ?お母さんどうしたの?」

 

 

 

 

 

海ちゃんの母電話

「海、、姉さんが・・(母の実姉)」

 

 

 

 

海ちゃん電話

「・・え?叔母さんが?

 どうしたの、、

 

 先週会ったばかりだけど・・」

 

 

 

 

海ちゃんの母電話

「どうしよう、、うみ、、うぅ

 

 どうしよう、、、、

 

 

 

 

 

 

 姉さんが今、、、

 

 

 

 亡くなったの・・うぅ、、、」

 

 

 

 

 

海ちゃん電話

「えっ、、、

 

 

 

 待って、、

 

 

 え、、、、、、」

 

 

 

 

震えが止まらない。

 

 

 

何これ、なんの電話?

 

 

 

 

 

 

姉さんというのは

海ちゃんのお母さんの実のお姉さんだが

海ちゃんが生まれた頃から

忙しいお母さんに変わって

第二の母親と言っても良いくらい

 

ひたすらに大きな愛情で

たくさんたくさん可愛がってくれた

尊敬する、大好きな人。

 

 

母親とはいつも仲が良くて

あったかくて、優しくて

笑い上戸で、おっちょこちょいで

 

 

 

海ちゃん電話

「嘘、、嘘だよね、、

 

 そんなの嘘だよ・・うぅ、、

 

 違うよ、、だって、、

 だってこの間まで、、

 元気だったじゃない、、、

 

 お母さん、、うぅ、、、

 

 こんなの、、違うよ、、、」

 

 

 

海ちゃんの母電話

「うみ、、どうしよう、、

 お母さん、、うぅ、、、」

 

 

 

 

昨日まで元気だった

海ちゃんの大好きな叔母さん

 

いわゆる、突然死だった。

 

 

 

 

 

海ちゃんはこれで、

壊れてしまったのだ。