登場人物

 

海ちゃん…18歳の時に出会った親友。

今は結婚して県外におり、3人の子供を育てている。

上の子はもう高校生。

 

川太…海ちゃんの夫。温厚で優しそうで家族想い。

と、誰もが思っていた。

 

リク…24,5歳、海ちゃんの旦那の部下で不倫相手

 

家族仲、夫婦仲がとても良い夫婦と

海ちゃん本人も思っていた、しかし夫の本性は、、

 

 

 

海ちゃんは川太に

これから義両親が子供たちを連れて

ここに帰ってくるから、そのあとは

義両親たちと実家に帰ってと伝える。

 

 

 

川太

「・・・一緒に帰るって、、

 そんなの、、車の中で

 なんて言えばいいか・・」

 

 

 

海ちゃんはもう反論することにも

話を聞くことにも疲れたのか

リビングに1人スタスタと帰っていく。

 

 

 

「もう、腹を括るしかないのに

 何をそんなに躊躇ってるんですか?

 親にバレることですか?」

 

 

 

玄関に立ち尽くし

しょげた風の顔をしている川太に

私もイライラした口調になる。

 

 

 

 

川太

「まぁ、、そうですね・・・

 

 でも、、なにも僕は親には、

 話さないって言ってるんじゃなくて

 せめて今日の今日じゃなくて

 もう少し落ち着いてからって

 言ってるだけなんですよ。」

 

 

 

「その〝落ち着いてから〟が

 海ちゃんにとって嫌な言葉だって

 わかりませんか?」

 

 

 

 

川太

「え?その言葉がですか?」

 

 

 

「だって、、落ち着くって

 何がですか?海ちゃんの気持ちが?

 この騒動が?

 

 少なくとも気持ちのことなら

 多分年単位で、

 落ち着かないと思いますよ。」

 

 

 

川太「えっ」

 

 

 

お前は「え?」しか言えないのか?

 

あと、私が何か言うたびに毎回

驚くのやめてくれよ。

その反応のせいで私の怒りのメーターが

全然下に降りないのよ。

 

 

 

「川太さんは、何を持って落ち着くと

 思ってるんですか。

 

 たとえ離婚が成立したとしても

 そこからまた新しい生活を立て直して

 新しい環境に慣れて

 あなたへの怒りとか憎しみとか悲しみとか

 いろんな気持ちを抱えて

 

 それをどう落ち着かせろと?」

 

 

 

 

川太

「それは、、離婚ってことだと

 そうかもしれないですけど

 

 もっとこの先話し合って

 家族として生きていく未来も

 0だとは思いたくないんです。」

 

 

 

「思え!!」 

 

 

 

あっ、いかんいかん。

 

 

 

私ったら人の家の玄関で

おっきな声なんか出しちゃってっ。

 

 

とかゆーとる場合ではない。

 

 

 

 

「もし再構築出来たとしたら

 尚更海ちゃんは、この先もっと

 いろんな場面でフラッシュバックが

 起こると思いますよ。

 

 それは別々で暮らすよりもっと

 沢山起るんです。

 

 そんなことも想像つかないまま

 落ち着いたら、なんて言葉を

 安易に言ってるんですか?」

 

 

 

川太

「そんなつもりないのに・・・

 なんか何を言っても今って

 裏目に出るというか、

 悪くとられますね、、、

 

 僕の言葉って、、、、

 

 どうしたらいいんでしょう・・」

 

 

 

「海ちゃんが望むことを、

 

 いや、望むことは何もなかった

 過去に戻ることでしょうけど

 

 今、彼女が求めること、

 叫んでいることを真正面から

 受け止めるんですよ。

 

 今のところ私は海ちゃんが 

 川太さんがやったこと以上に

 無茶苦茶なことを言ってるようには

 思いませんでしたから。」

 

 

 

川太

「・・・そう、、ですよね・・」

 

 

 

 

川太が靴を脱いで、リビングに戻る。

 

 

私もその後をついていきながら

時計を見る。

 

 

もう本当に、リミットが来そうだが

むしろお義母さんたちが

いらっしゃるところに

部外者の私がいない方がいいのでは。

 

 

そんなことも思ったりしながら

私は海ちゃんのところに行った。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー