登場人物

 

海ちゃん…18歳の時に出会った親友。

今は結婚して県外におり、3人の子供を育てている。

上の子はもう高校生。

 

川太…海ちゃんの夫。温厚で優しそうで家族想い。

と、誰もが思っていた。

 

リク…24,5歳、海ちゃんの旦那の部下で不倫相手

 

家族仲、夫婦仲がとても良い夫婦と

海ちゃん本人も思っていた、しかし夫の本性は、、

 

 

「ねぇ海ちゃん、2人で話せる?」

 

 

 

海ちゃんの本音を聞き出したくて

私は海ちゃんに声をかけた。

 

 

 

海ちゃん

「うん、もちろん、、

 じゃあ、、2階に行こうか、、」

 

 

 

海ちゃんが川太をチラッと見る。

 

 

川太

「・・・ここで、明日からのこと

 ちゃんと考えておく・・

 紙にも買いておくから、、」

 

 

 

海ちゃん

「それは好きにして。」

 

 

 

海ちゃんは冷蔵庫から

お茶のペットボトルを二つ出して

私たちは2階に上がった。

 

 

 

 

 

 

2階に上がって通されたのは

寝室のある部屋に

小上がりになっている場所。

 

そこだけ畳になっていて

小さなテーブルや座椅子があり

とても落ち着いた場所になっている。

 

 

 

海ちゃん

「はぁぁ、、、疲れた・・

 

 って、パンダなんて東京からきて

 すぐにこっちにきてくれたんだから

 もっと疲れてるよね・・・」

 

 

 

海ちゃんは、

一旦その場に寝そべったのに

またすぐに起き上がって

テーブルの上に、持ってきたお茶を

二つ並べる。

 

 

 

「いいよ、寝そべったままでも。」

 

 

 

海ちゃん

「うぅん、そんなわけには・・

 

 それにしても、、ありがとうパンダ。

 まさかリクに

 電話までしてくれるなんて。」

 

 

 

「なんか勢いでね。もう何度か

 今までもこうやって不倫相手と

 話す機会があったから

 

 勝手に相手の思いを想像するより

 話したほうが早いなって

 思っちゃってさ。」

 

 

海ちゃん

「なるほどね・・私だったら

 弁護士通してラリーしてとか

 そんなこと考えちゃって

 あと2・3ヶ月先になるような話が

 さっきの一瞬で出来たよ。

 

 

 ・・それにしても、川太は 

 リクと別れられると思う?」

 

 

 

「私は、別れると思うよ。

 会社を辞めるっていう発言は

 確かに海ちゃんのことを

 ちょっと試してるようにも

 思えたけど

 

 家族と離れて暮らす覚悟や勇気は

 全くなさそうだったもん。」

 

 

 

海ちゃん

「そうだね、、離婚するつもりは

 全くなさそうだったね・・」

 

 

 

「そう、だから海ちゃんは

 これからゆっくり

 自分の気持ちを考えたらいいよ。」

 

 

 

海ちゃん

「うん、、そうだね・・正直

 パンダに連絡した時はすぐに

 離婚って言葉が浮かんだけど

 

 ・・・毎日子供たちとのこととか

 この先のこととか考えたら

 ものすごく不安になってきて・・

 

 私、離婚なんかして

 やっていける?って思っちゃうの・・

 

 でも、ダメだよねこんなの。

 情けないよね。あんな奴とは

 離婚したほうがいいよね?」

 

 

 

私は首を横に振る。

 

 

 

「なんで海ちゃんが情けないのよ。

 

 情けないのは川太だから。

 それに別に、離婚することが

 正解でもないじゃん。」

 

 

 

海ちゃん

「そうだけど、、再構築ってどうやるの?

 

 だってもう、、川太のこと

 父親としても男としても、、

 全然見られない、、、

 

 こういうの、気持ち悪いって

 思っちゃって、、

 

 あぁ、ごめんねほんと

 じゃあ離婚しろよって話だよね、、」

 

 

 

「海ちゃん!!そんな話じゃない。

 そうじゃないから、、

 

 離婚するかしないか、0か100かを

 今決めないで。

 そんなこと、海ちゃんがしんどいだけよ。」

 

 

 

海ちゃん

「もう、、もうとっくにしんどい

 うぅ、、、

 

 どうしよう、子供達の前で

 強いママでいなきゃいけないのに。

 ずっと涙が出てくるよ!!」

 

 

 

海ちゃんはまた、

涙をボロボロこぼして泣いていた。

 

 

 

あぁ、川太。

 

 

あなたって、子煩悩で愛妻家で

マイホームパパなんじゃなかった?

 

私が海ちゃんから聞いていた

海ちゃんの家族は

もっと愛に溢れていて、

幸せそうだったのに。

 

 

 

 

 

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