登場人物
海ちゃん…18歳の時に出会った親友。
今は結婚して県外におり、3人の子供を育てている。
上の子はもう高校生。
川太…海ちゃんの夫。温厚で優しそうで家族想い。
と、誰もが思っていた。
リク…24,5歳、海ちゃんの旦那の部下で不倫相手
家族仲、夫婦仲がとても良い夫婦と
海ちゃん本人も思っていた、しかし夫の本性は、、
私
「ねぇ海ちゃん、2人で話せる?」
海ちゃんの本音を聞き出したくて
私は海ちゃんに声をかけた。
海ちゃん
「うん、もちろん、、
じゃあ、、2階に行こうか、、」
海ちゃんが川太をチラッと見る。
川太
「・・・ここで、明日からのこと
ちゃんと考えておく・・
紙にも買いておくから、、」
海ちゃん
「それは好きにして。」
海ちゃんは冷蔵庫から
お茶のペットボトルを二つ出して
私たちは2階に上がった。
◆
2階に上がって通されたのは
寝室のある部屋に
小上がりになっている場所。
そこだけ畳になっていて
小さなテーブルや座椅子があり
とても落ち着いた場所になっている。
海ちゃん
「はぁぁ、、、疲れた・・
って、パンダなんて東京からきて
すぐにこっちにきてくれたんだから
もっと疲れてるよね・・・」
海ちゃんは、
一旦その場に寝そべったのに
またすぐに起き上がって
テーブルの上に、持ってきたお茶を
二つ並べる。
私
「いいよ、寝そべったままでも。」
海ちゃん
「うぅん、そんなわけには・・
それにしても、、ありがとうパンダ。
まさかリクに
電話までしてくれるなんて。」
私
「なんか勢いでね。もう何度か
今までもこうやって不倫相手と
話す機会があったから
勝手に相手の思いを想像するより
話したほうが早いなって
思っちゃってさ。」
海ちゃん
「なるほどね・・私だったら
弁護士通してラリーしてとか
そんなこと考えちゃって
あと2・3ヶ月先になるような話が
さっきの一瞬で出来たよ。
・・それにしても、川太は
リクと別れられると思う?」
私
「私は、別れると思うよ。
会社を辞めるっていう発言は
確かに海ちゃんのことを
ちょっと試してるようにも
思えたけど
家族と離れて暮らす覚悟や勇気は
全くなさそうだったもん。」
海ちゃん
「そうだね、、離婚するつもりは
全くなさそうだったね・・」
私
「そう、だから海ちゃんは
これからゆっくり
自分の気持ちを考えたらいいよ。」
海ちゃん
「うん、、そうだね・・正直
パンダに連絡した時はすぐに
離婚って言葉が浮かんだけど
・・・毎日子供たちとのこととか
この先のこととか考えたら
ものすごく不安になってきて・・
私、離婚なんかして
やっていける?って思っちゃうの・・
でも、ダメだよねこんなの。
情けないよね。あんな奴とは
離婚したほうがいいよね?」
私は首を横に振る。
私
「なんで海ちゃんが情けないのよ。
情けないのは川太だから。
それに別に、離婚することが
正解でもないじゃん。」
海ちゃん
「そうだけど、、再構築ってどうやるの?
だってもう、、川太のこと
父親としても男としても、、
全然見られない、、、
こういうの、気持ち悪いって
思っちゃって、、
あぁ、ごめんねほんと
じゃあ離婚しろよって話だよね、、」
私
「海ちゃん!!そんな話じゃない。
そうじゃないから、、
離婚するかしないか、0か100かを
今決めないで。
そんなこと、海ちゃんがしんどいだけよ。」
海ちゃん
「もう、、もうとっくにしんどい
うぅ、、、
どうしよう、子供達の前で
強いママでいなきゃいけないのに。
ずっと涙が出てくるよ!!」
海ちゃんはまた、
涙をボロボロこぼして泣いていた。
あぁ、川太。
あなたって、子煩悩で愛妻家で
マイホームパパなんじゃなかった?
私が海ちゃんから聞いていた
海ちゃんの家族は
もっと愛に溢れていて、
幸せそうだったのに。
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