登場人物

 

海ちゃん…18歳の時に出会った親友。

今は結婚して県外におり、3人の子供を育てている。

上の子はもう高校生。

 

川太…海ちゃんの夫。温厚で優しそうで家族想い。

と、誰もが思っていた。

 

リク…24,5歳、海ちゃんの旦那の部下で不倫相手

 

家族仲、夫婦仲がとても良い夫婦と

海ちゃん本人も思っていた、しかし夫の本性は、、

 

 

 

リク電話

「・・・・そんなに、、私と離れたいの?」

 

 

 

仕事を辞めると言う川太に

随分ズレたツッコミをするリク。

 

なんで皆様こう、話がズレるのかしら。

 

 

 

川太電話

「……離れたい、っていうか・・

 もう続けられないってば、、、」

 

 

 

そんな言い方してないだろう?

と言うのかと思ったが

もうリクの方には

フォローすらしなくなってきた川太。

 

だんだん、リクの小娘感がわかり

目が覚めてきたのだろうか。
 

 

 

リク電話

「そんなの、、酷い!

 

 そっちは私と別れたって

 子供もいるし、奥さんとは

 別れないかもしれないってなったら

 元通りになるだけでしょ?

 

 それなのに私は、一人ぼっちになって

 これで会社まで辞めることになったら

 全部無くなっちゃうじゃん!」

 

 

 

なんか、むかーしこのシーズンの中で

誰かも言っていたような・・・

 

誰だったのかは忘れたけれど

皆様こういう思考になるのね。

 

こういうことになってしまったら

いざという時には、相手を責めるのね。

 

 

 

 

川太電話

「元通りになんか・・なるわけないよ・・

 こんなことになってどうやって

 元通りになるっていうんだよ・・

 

 普通に付き合えると思ってる?

 俺は無理なんだ。

 

 とにかく家族に対して

 謝罪と後悔の念しかない。

 

 もちろん君にだって

 本当にすまないと思ってる。」

 

 

 

 

まぁ・・なると思っている不倫男は

ごまんといるけどね。

 

 

奥さんの我慢と努力で再構築しているのに

一緒に住んでいると許されたと思って

奥さんの痛みに気づかない人。

 

再構築したら川太もきっと

そうなると思うんだが。

 

 

 

リク電話

「・・だからちゃんと、

 話し合って・・・・」

 

 

 

海ちゃんが、ため息をついている。

 

 

 

 

私電話

「川太さんがこれから話し合うべきなのは

 あなたじゃなくて、奥さんなんですよ。

 

 これまでリクさんが過去に

 彼氏と別れる時に

 こんなふうに揉めたんですか?

 結婚していない限り

 何も約束はないはずです。

 

 確かに、川太さんは最低ですよ。

 酷いですよね。あなたのことを

 こんな気持ちにさせて・・・」

 

 

 

リク電話

「うぅ・・・ウゥゥ・・・」

 

 

いや別に、

優しく寄り添ったわけじゃないよ。

 

本音を言っただけだから。

 

 

 

私電話

「でも、あなたが被害者みたいな

 発言をするのは

 きっと違うと思います。

 

 さっき、あなたは川太さんに

 酷いと言いましたけど

 奥さんからしたら、あなたは酷いです。

 

 だって彼と別れたらフリーになって

 子供もいないから自由になって

 新しい恋愛を始められるんですよ。」

 

 

 

リク電話

「・・そんな、そんな簡単には・・」

 

 

 

私電話

「簡単に、不倫を始めたじゃないですか。

 

 もしかしたらあなたにとっては純粋な 

 恋心なのかもしれませんよ。

 簡単なんて、

 言われたくないかもしれないですよ。

 

 でも、ダメなんですよ。

 それがわかったら、引かないと。」

 

 

 

リク電話

「ウゥゥ・・・」

 

 

 

川太は俯いて、唇をギュッと

噛み締めている。

 

 

 

 

私電話

「奥さんはこれから子供の人生を1人で

 抱えていかなければいけないかも

 しれないんですよ。

 

 それは、経済的にも体力的にも

 とても大変なことですけど

 何よりも、未来を誓った大切な人に

 心と家庭を壊されたんです。

 

 そのダメージがどれほどのものか

 

 

 

 …全部はわからなくても

 あなたも痛みを抱えながら 

 

 

 想像出来る人に

 なってくれませんか。」

 

 

 

 

 

電話越しに、リクが泣き崩れた。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー