登場人物
海ちゃん…18歳の時に出会った親友。
今は結婚して県外におり、3人の子供を育てている。
上の子はもう高校生。
川太…海ちゃんの夫。温厚で優しそうで家族想い。
と、誰もが思っていた。
リク…24,5歳、海ちゃんの旦那の部下で不倫相手
家族仲、夫婦仲がとても良い夫婦と
海ちゃん本人も思っていた、しかし夫の本性は、、
海ちゃんが、川太の携帯を手に取り
リクの番号を出す。
その間、何の抵抗もしない川太。
それは何か小細工をして
余裕ぶっているとかではなくて
完全に諦めたという顔つき。
海ちゃん
「最初はあなたが話してね。」
川太「えっ」
焦る川太を無視したまま
海ちゃんは発信ボタンを押す。
するとコール音がし始めたので
スピーカーフォンに切り替える。
リク電話
「あれっ、はいはーい。リクでーす。」
海ちゃん
「・・・・・・・」
海ちゃんが顔で、川太に訴えかける。
川太電話
「あっ、いやあの。うん、
今電話いい?」
リク電話
「うん、大丈夫だよ?どうしたの?
電話なんて珍しい・・」
川太電話
「いやあの、、実はあんまり
良くない内容なんだけど・・」
リク電話
「良くない・・・?というと・・」
川太電話
「俺たちのこと・・・」
リク電話
「・・・え、、、もしかして、、
別れたいとか・・
そういう、、、」
ね、もうここまででわかりましたね。
そもそもこの二人、
別れてなんかいません。
ナウで、現在進行形で
付き合っているのです。
ぶつ。
私「おっ。」
電話を切ったのは、海ちゃんだった。
海ちゃん
「ごめん、ちょっと腹が立ちすぎて
声が出ちゃいそうだったから・・
つい・・・
って、どういうこと?!
この電話で、別れを予感して
相手が驚いてたじゃない!!
やっぱり、、
別れてなんかなかったのね!」
川太
「・・・・・・・・」
海ちゃん
「せめて、なんで私が電話する前に
実は、まだ別れてないんだ
くらい言えないの?
もしかしたら彼女が何かを察して
黙ってくれるとでも思ってた?」
川太
「・・・いやもう今、
何を考えたらいいのか・・
頭がパニックなんだ・・
だからなんて言ったらいいか
全然考えられなくなって、、」
海ちゃん
「パニックなのはこっちなんだけど!!」
その時、
今度はリクから電話がなる。
海ちゃん
「・・・・・、、、
掛け直してきた・・
あなた、ちゃんと話して。」
海ちゃんが、通話ボタンを押す。
リク電話
「あれ?今電話切れた?電波悪い?」
川太
「・・・・・」
リク電話
「あれ?聞こえてる?」
会社のイベントで会った時、
リクは川太に敬語を使っていた。
けれど二人の時はこうやって
フランクに話すほどの間柄なのだ。
海ちゃんは、顔中の筋肉を使って
早く話せ!と促している。
川太電話
「あぁ、、ごめん。電話切れた・・」
リク電話
「そうなんだ、、ちょっと今
心臓がバクバクしてて、、
どういうことかわからなかったから
私も焦っちゃって・・・」
川太電話
「俺の方も、なんて話せばいいか
ちょっとわからないんだけど・・・
ごめん、、とにかくもう
関係は続けられない・・」
リク電話
「・・なんで、、?もしかして
・・
もしかして、、奥さんに
私たちのこと・・・・」
川太電話
「・・・・・・・」
リク電話
「えっ!!そんな!!え?嘘でしょ?
じゃあ今どういう状況?」
海ちゃんがまた、涙をポロポロ流しながら
この会話を聞いている。
この二人が今、付き合っている二人として
会話しているのが耐えられないのだ。
その時
川太電話
「すまない・・・すまない・・・
うぅ、、、」
川太も泣き出した。
いや、すまないって一体
どっちに言ってるの?
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