登場人物
海ちゃん…18歳の時に出会った親友。
今は結婚して県外におり、3人の子供を育てている。
上の子はもう高校生。
川太…海ちゃんの夫。温厚で優しそうで家族想い。
と、誰もが思っていた。
リク…24,5歳、海ちゃんの旦那の部下で不倫相手
家族仲、夫婦仲がとても良い夫婦と
海ちゃん本人も思っていた、しかし夫の本性は、、
ノープラン作戦を伝えたら
さっきまで
バスルームにうずくまっていた海ちゃんが
しっかりと立ち上がった。
そして、
海ちゃん
「パンダ。本当にありがとう。
私ね、本当に⚪︎んでしまいたかった。
だけど、パンダは来てくれた。
生きろって、言ってくれた。
だから、1回⚪︎んだつもりで
頑張らなきゃね。」
私
「うん、」
海ちゃん
「ありがとう。来てくれて。
その行動力、私も見習わないと。
泣いてたって、前に進まないしね。」
私
「うん、まぁでも泣くよ。
後も向くよ、仕方ない。」
海ちゃん
「そっか、じゃあまだ泣くよ私。」
私
「うん、そういう感情は
我慢しなくていい。だから、よし
行こうか。」
海ちゃん
「うん。」
あ、そういえば録音のボタン
押しっぱなしだった。
私は一度録音を止めて
再び録音をし始める。
私たちは二人で、リビングに行く。
するとさっきと同じ場所で
同じ形で座っている川太。
ぼんやり気の抜けた顔をしているが
そんな顔をしたいのは海ちゃんだから。
川太
「海ちゃん、、本当にごめん…
これからなんでもするから・・
だから、、許してほしい・・」
海ちゃん
「なんでも、、それ約束出来る?
絶対に破らない?」
川太
「・・・うん、、多分・・・」
海ちゃん
「多分じゃ困る。」
川太
「いや、、だって、、
離婚してくださいとか
そういう話をするんだったら、、
簡単にハイとはいえないし・・」
海ちゃん
「まだ、そんな話はしない。」
川太
「・・・えっ、じゃあどういうこと。」
海ちゃん
「ひとまず、携帯出して。」
川太「えっ」
海ちゃん「出して!!」
このラリー、書いていても
まどろっこしくてイライラするが
本当はこの数倍長かった。
やっと携帯を机の上に出した川太に
海ちゃんが言う。
海ちゃん
「リクの携帯番号出して。」
川太
「・・・・わかった。すぐ消す」
海ちゃん
「そんなこと言ってない!!」
川太「え?」
海ちゃん「ひとまず出して!」
川太「・・・・・・わかった」
リクの携帯番号は、
普通に苗字と名前で入っていて
違う名前にしていたりなど
小細工された様子もない。
私は黙ってその番号をメモにとる。
消されたら困るので念の為。
海ちゃん
「今から、電話するから。」
川太
「・・・・・・・・・・」
やめろよ!!と叫び出すかと思ったが
反論しない。
それは意外だった。
海ちゃん
「止めないんだ。」
川太
「いや、、会社の人だから
止めたって無駄かなって思った。
ここで止めても番号消しても
海ちゃんが直接会社に連絡したら
結局わかってしまうことだし」
そう言って、川太が俯く。
こういう場面でジタバタしないのは
ちょっと今までのケースと違う。
海ちゃん
「・・・・・・・・・」
私
「・・・1人で電話してくる?
それともここで話す?」
私が電話しようか?というパターンも
シーズン1ではあったが
なんとなくここでは違う気がしている。
海ちゃん
「いや、ここで話す。」
海ちゃんは川太の携帯を、
テーブルの上に置いて深呼吸した。
もちろんすぐに出るとは限らないが
緊張の瞬間。
そして海ちゃんは、リクの番号の
発信ボタンを押した。
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