登場人物
海ちゃん…18歳の時に出会った親友。
今は結婚して県外におり、3人の子供を育てている。
上の子はもう高校生。
川太…海ちゃんの夫。温厚で優しそうで家族想い。
と、誰もが思っていた。
リク…24,5歳、海ちゃんの旦那の部下で不倫相手
家族仲、夫婦仲がとても良い夫婦と
海ちゃん本人も思っていた、しかし夫の本性は、、
バスルームでうずくまる海ちゃんを
そのまま抱きしめながら
頭の中で色々と考える。
私
「海ちゃん、今の気持ちだけで
すぐに結論を出すことはないと思う。
離婚するもしないも
海ちゃんが決められるんだから。」
海ちゃん
「そうだけど・・うぅ、、なんで、、
なんでこんな、、
こんな酷いことが出来るの?」
ずっと泣き続けている海ちゃん。
そうだよね。
付き合っている時から考えると
20年近く一緒にいて
その間ずっと大好きだった
ご主人の裏の顔。
海ちゃん
「出会ってからずっと、恋愛感情が
家族の愛情に変わってだけどまた
男性としても素敵だなって
思えることも増えてきて、、
まだ、末っ子が巣立つには早いけど
それでも子供が全員成人したら
その先は二人で
たくさん色んなところに行こうねって
この間も話したばっかりだった・・」
私
「うん、、、」
海ちゃん
「だけど、、実はそんなこと言ってる時も
ずっとリクと付き合ってたなんて、、」
海ちゃんは何度も何度も
同じところをなぞるように話しながら
泣き続ける。
このループは、パートナーへの愛情が
強ければ強いほど、
付き合いが長ければ長いほど
長く続いてしまう傾向にあると思う。
こんな状態の海ちゃんに
どんな声をかけてあげられるのだろう。
ひとまず同じ気持ちをひたすら
吐き出してもらう?
前に進ませる?
怒りに身を任せる?
海ちゃんとは長い付き合いだが
こんな状況の海ちゃんを見るのは
もちろん初めてなので
何が正解かわからなくもなる。
でも、一緒に泣き続けるわけにもいかない。
私
「海ちゃん、とりあえずさ
実際今、リクと川太が本当に別れているか
確かめたほうがいいかもね。」
海ちゃん
「え・・・」
私
「今後のことはさておきよ。
川太は別れたって言ってるけど
それって信じられる?」
海ちゃん
「それは・・信じられない。
信じたいけど、、
っていう気持ちもないくらい
信じられない。
別れてないと思う。」
私
「じゃあさ、このやり方がいいかどうか
わからないんだけど
私がこれまでの経験上
こういう場面に立ち会いながら
やってきたことといえば
(相手に電話をかけること)もしくは
(相手に会うこと)なのね。
それは、どう思う?」
海ちゃん
「えっ、、それは、、、
やりたい。話してみたい。」
私
「そうか、じゃあ連絡してみよう。」
海ちゃん
「でも、、なんて?なんて言って?」
私
「・・・そんなのは
相手がどういう風に電話に出るか
わからないんだから考えなくていいよ。」
海ちゃん
「つまり・・ノープラン作戦か。」
私
「あ、いや作戦っていうほどでは
ないんだけど・・(汗)」
海ちゃん
「わかった、よし、今からそうしよう。
あいつの携帯から。」
さっきまで泣き止んでいた海ちゃんが
スッと立ち上がり、口をぎゅっと結ぶ。
そう、海ちゃんはここぞという時には
強いんだから。
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