登場人物
海ちゃん…18歳の時に出会った親友。
今は結婚して県外におり、3人の子供を育てている。
上の子はもう高校生。
川太…海ちゃんの夫。温厚で優しそうで家族想い。
と、誰もが思っていた。
リク…24,5歳、海ちゃんの旦那の部下で不倫相手
家族仲、夫婦仲がとても良い夫婦と
海ちゃん本人も思っていた、しかし夫の本性は、、
会社の飲み会の帰り
20歳前後も離れている部下(リク)と
帰り道が一緒になり、飲み直した
海ちゃんの夫の川太。
その時に、ずっと前から憧れていたと
告白されたらしい。
海ちゃん
「若い子にそんなこと言われて
いい気になっちゃったの?」
川太
「いい気になったというか…
いやそれは、、、」
海ちゃん
「だってそれから結局
不倫が始まったんだもんね。
あなただって久々に恋愛出来て
夢中になっちゃったんでしょ。」
川太
「夢中になんてそんな、、、
相手には申し訳ないけど、
その時の勢いというか、、
出来心だったんだよ。」
海ちゃん
「は?出来心?」
川太
「いや、出来心だって
絶対にダメなんだけど・・とにかく
なんて言葉を選んだらいいか
全然わからないけど、、
深い意味合いなんかないんだ。
もう何を言っても言い訳だけど
浮気してしまったのはその1回だけだよ。
だから、、これから先一生
家族のためになんでもするから…
もう、許してくれよ。
パンダさんまで巻き込んで…」
私
「いや、私のことは今は
一旦置いといてください。
というか巻き込まれたとして
それって
海ちゃんのせいじゃないので。」
川太
「あぁ、、まぁそうです、、ね…」
海ちゃん
「深い意味合いなんてなく
部下の子に手を出すって
…そんな若いお嬢さんの人生を
どう思ってるわけ?」
川太
「まぁ、最悪だよな・・・
それは、最低なことしたよ。
だから彼女も俺みたいなやつと本気で
どうなろうと思ってたわけじゃ
ないと思うから、、ほんと、、
もう2度とやりません。
こんなことで海ちゃんを泣かせて
後悔しかないので、、」
海ちゃん
「……今、彼女とはどうなってるの?」
川太
「えっ、どうって、、何もないよ。」
海ちゃん
「だって部下なんだから、
会社で会うでしょ?
それに私が見たLINEのやり取りは
最近のものよ。
あ、パンダにその内容伝えたっけ。」
私
「いや、その内容まではまだ聞いてない。」
いや、本当は聞いている。
でもこの辺りの流れは、
ちょっとだけ二人で事前に
打ち合わせをしていて
私はそういう詳しいことは
ほとんど何も知らない感じで来ている。
川太
「いいよ、内容まで言わなくて。」
海ちゃん
「(昨日はご馳走様でした。
朝までずっと一緒にいたかった)
って書いてあった。」
川太
「それは、、うん、ごめん、、
だから、その1回だけ・・・
もう会社でもほとんど話してない。」
川太は、今回の不倫がバレたことについて
海ちゃんがたまたま、
川太の携帯の画面を見てしまって
そこにリクからのLINEが来たので
この1文だけを見ていると思っている。
川太
「それに彼女だって俺のこと
本気で好きじゃないと思うよ。
若いからいくらでも
新たな出会いがあれば俺のことなんか
忘れるだろうし!」
このやりとりを聞きながら
私はどんどん白けてゆく。
だって、嘘なんだもの。
二人はもっと前から、始まっている。
もちろん1度や2度じゃない。
海ちゃんはこの話し合いに私がいれば
彼は本当のことを話すと思っていた。
ただそれはそれで、
普段は真面目でまっすぐな人だから
夫が彼女に本気になってしまって
家族ごと捨てられるのも怖かったと
そう言っていた。
どこが真面目で真っ直ぐな人だ。
海ちゃん
「・・・・・ねぇ。
本当のことを話して。」
海ちゃんはまた、泣いていた。
泣きたくないのに、
勝手に涙が溢れてきていた。
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