登場人物

 

海ちゃん…18歳の時に出会った親友。

今は結婚して県外におり、3人の子供を育てている。

上の子はもう高校生。

 

海ちゃんの旦那…温厚で優しそうで家族想い。

と、誰もが思っていた。

 

家族仲、夫婦仲がとても良い夫婦と

海ちゃん本人も思っていた、しかし

夫の本性は、、

 

 

 

録音1つで話が長引いてしまい

初っ端からイラッとしてしまった私。

 

すでに海ちゃんは泣いているし

申し訳なさそうな顔をしている

川太のその表情がポーズに見えてきたし

 

こりゃあ1時間そこらで

終わる話じゃないなと、私も覚悟を決める。

 

 

最初は海ちゃんの旦那だし

あんまり意地悪な質問をしても

海ちゃんが傷つくかなと思ったが

 

いやいや今の方がもうすでに

随分傷つけられとるやないか!!

と、一人で自分にツッコミを入れ

 

自分で自分を励ます。

 

 

パンダがんばれと。

 

 

「じゃあ、録音ボタンを押します。

 多分話していたら、こんな録音の存在

 忘れますから。

 

 

 

川太

「はい、、、」

 

 

「では、話してください。はい。」

 

 

 

川太

「えっ、何をどこからですかっ?」

 

 

 

「・・何がどこから始まったの。」

 

 

 

川太

「えっ、いやだから、、

 海ちゃんはちょっと色々と

 誤解しすぎてた部分があって」

 

 

 

「何がどこから

 はじまったの!!?」

 

 

 

質問から話を逸らすのは

こういう人たちの特徴なんですか?

 

 

 

川太

「あのだから、、

 

 海ちゃんが見たのって、、 

 携帯の、、リクさんとの

 やりとりだよね?」

 

 

海ちゃん

「・・・・・・・」

 

 

「いいから、こちらの相槌を待たず

 話し続けてください。

 

 あ、ここにあるメモ用紙とペン 

 借りますね。」

 

 

テーブルにあるメモ用紙を私は拝借する。

 

どうやらそのメモ用紙は

もういらなくなったような学校の

プリントの裏を4分の1に切って

使っているようだ。

 

 

川太

「リクさんというのは、、

 会社の後輩というか

 部下なんですが、、」

 

 

「年齢はおいくつですか。」

 

 

 

川太

「24・・5歳だったかな、、

 

 そこはすいません。

 詳しく覚えてないです、、」

 

 

 

「そんな若い子、、」

 

 

 

一気に質問したい言葉が溢れたが

私はメモに(リクさん 25歳 部下)

とだけ書きながら

ひとまず川太が話すことを聞こうと思う。

 

 

 

川太

「はい、、若いですけど、、

 話すとかなり落ち着いているので

 もう少し大人と話しているような

 そんな気に」

 

 

「そういうのはいいです。」

 

 

相手のことを少しでも

良く表現しようとする夫の言葉など

何一ついらない。

 

 

川太

「はい、えぇと、、あとは何を答えたら、、」

 

 

 

「私の質問にはまだ、辿り着いてないです。

 メモに書きましょうか。」

 

 

・何が

・どこから始まったか

 

 

私「はい。」

 

 

そのメモを川太に見せると

 

 

川太

「何が、どこから始まったか、、

 えぇと、何が・・ですか、、

 

 そうですね、、うちの会社

 飲み会とか集まりごとが多くて

 それで1度その飲み会の後に

 リクさんと同じ方向で

 駅まで二人で帰ることになって…

 

 いつもは誰かいるのに

 二人きりなの珍しいねってなって・・・

 

 その流れで駅前でもう少し

 飲み直すことになりました、、」

 

 

 

海ちゃん「・・・・・・・」

 

 

私「、、、、、」

 

 

 

川太

「そこで、、告白されたんです。

 本当はずっと前から

 憧れてましたって、、」

 

 

「、、、、、、、」

 

 

 

川太

「あのっ、、二人ともどちらかは

 なんか言ってもらえませんか、、

 

 このまま話し続けていいのか

 不安になるので・・・」

 

 

 

「・・・・・ずっと前から

 憧れてくれるのは

 その方の自由です。

 

 でも(それはありがとう)で

 いいじゃないですか。」

 

 

 

海ちゃん

「若い子にそんなこと言われて

 いい気になっちゃったの?」

 

 

 

この会話をし始めてから

海ちゃんが初めて口を開いた。

 

 

 

 

 

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