登場人物
高崎 舞香さん…39歳 今回の主人公。
パート勤めをしており、
4歳の娘(日菜ちゃん)がいる。
相談相手は実のお姉さん。(春香さん)
高崎 誠……40歳 舞香さんの夫。
ある日突然、好きな人がいるから
離婚したいと舞香さんに告げる。
相手は同じ部署の(藤沢美波)という女性。
鈴木紗栄子…土曜日の夕方、舞香さんたちの家に
突然やってきて色々暴露を始める。
児島ユリ…23歳。紗栄子の突撃で
誠との関係が判明した。
実家暮らし。その母親が強烈だが
誠はユリに100万円借りている?
誠は、舞香さんが来てくれることになり
きっと安心&
油断しまくっていたに違いないし
美波は美波で、
二人っきりで話さえ出来れば
なんとか自分の方に
誠の心を取り戻せると
思っていただろう。
だって、舞香さんが予約をしたのは
個室の和食料理屋さん。
すごく高いお店、
というわけではないが
美波なら勘違いして
私のためにこんなところで
きちんと向き合ってくれるのね
なんてことを思うのだろう。
待ち合わせの時刻は11時半。
もちろん美波は、
舞香さんが来ることは知らない。
待ち合わせ時間の30分前。
舞香さんと誠は、最寄駅出口で落ち合った。
しかし美波に見られないために
お店に向かう出口とは反対側に。
思うように行くかどうかはわからないが
もちろん私も舞香さんのお姉さんも一緒に
大枠の段取りは考えておいた。
誠
「舞香、、、今日は本当に
俺なんかのためにありがとう。」
色々勘違いして、感極まっている誠が
滑稽に見えてしまう。
舞香さん
「あなたのためじゃないから。」
誠
「舞香はそう言うけど、
結局は俺のためになってるんだよ、
いつもそうなんだ。
ありがとう。
・・・これまで、
いろんなことがあったよな。」
違うよ、これまでいろんなことを
しでかしたんだよ。
あなたがね。
舞香さん
「話し合いの前に、
まとめに入らないでくれる?
とにかく、今日の流れについて
先に話しておくから。」
誠
「あぁ、段取りね。わかった。
もう、従うから。」
舞香さん
「いや、従うって言われても困るけど
とにかく最初は美波と
落ち着いて話し始めてね。
ちゃんと飲み物も頼んで
軽いおつまみ程度のものも。」
誠
「うん、わかった。でも
それって世間話でいいの?
多分座ったらすぐに、
今後の私たちの話がしたいって
言われると思うけど…」
舞香さん
「そんなの自分でなんとかして。
あと、私が入って行くタイミング
それが知りたいから
携帯の通話は私と繋げておいて。」
誠
「わかった、、色々ありがとう。」
誠はこの時点で、何も気づいていない。
本当に能天気なやつだ。
◆
誠
「あ、、もう来てたんだ。」
誠が個室に入ると、
すでに美波が待っていた。
ニコニコ嬉しそうに。
美波
「こんな素敵なお店まで取ってくれて
本当にありがとう。
二人には広すぎて、贅沢だね。」
誠
「・・・とにかくまずは、
なんか飲み物頼もう。」
美波
「うん、じゃあ、まこちゃんビール?」
この間舞香さんにかけてきた声の色とは
全く違う。
普段誠に対して、
こんな猫撫で声で話しているのか。
そりゃあお花畑中なら、
男は喜ぶだろう。
舞香さんは、携帯から聞こえてくる声に
もうすでにゲンナリしている。
誠
「まぁ、、そうだね、ビールに。」
お酒頼むのかよ、と思ったが
最初はいつも通りにしてと指示を出したので
これはこれで仕方がない。
美波
「じゃあ私もそうしようかなぁ。
うーんでも、梅酒にしようかなぁ。
ねぇまこちゃんー、どっちがいい?
どっちも選べなーい。」
チミはこの前、
このままだと誠のことを
セクハラとかそういうので
訴えるって言ってたよね。
全然人が、違うやないか。
これはもう最初から、波乱の予感。
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