登場人物
高崎 舞香さん…39歳 今回の主人公。
パート勤めをしており、
4歳の娘（日菜ちゃん）がいる。
相談相手は実のお姉さん。（春香さん）
高崎 誠……40歳 舞香さんの夫。
ある日突然、好きな人がいるから
離婚したいと舞香さんに告げる。
相手は同じ部署の（藤沢美波）という女性。
鈴木紗栄子…土曜日の夕方、舞香さんたちの家に
突然やってきて色々暴露を始める。
児島ユリ…23歳。紗栄子の突撃で
誠との関係が判明した。
実家暮らし。その母親が強烈だが
誠はユリに100万円借りている？
会社で誠が会ってくれたのは
自分の脅しのせいだと
理解していない美波。
それどころか、その場しのぎで
今後の話をしようと言った誠に対して
復縁が可能になったと思い込み
誠の他の不倫相手に
制裁まで与えようとしている。
なんでしょうね。
こういう思考って。
同じ両親から生まれて
どうして美波と美波の姉のように
考え方も生き方も
全く違う二人が出来てしまうのだろう。
舞香さん電話
「制裁を与えたいって…
どういう立場で
そんなことを・・・」
美波の姉電話
「……これは予想ですけど、
多分、お金目的だと思います。」
舞香さん電話
「……？どういう意味ですか？」
美波の姉電話
「慰謝料です。
他の浮気相手からの。
本人がそう言ったわけじゃないですけど
なんとなく雰囲気で
そう感じたんですよね…」
舞香さん電話
「慰謝料って…
立場的にそんなこと
出来るわけないのに…」
美波の姉電話
「なんで私がそんな風に
感じたかというと、さっきの電話で
（思ったより彼、
お金ないかもしれない。）
って言ったのと
（私と結婚してくれるなら
あの会社辞められたら困る）
とも言ってましたから…」
舞香さん電話
「……それで結局、
夫と妹さんは近いうちに
話すことになりそうなんですか？」
美波の姉電話
「今、ご主人は実家にいるので
遅く帰るわけにいかないと
言われたらしくて
次の土曜日に話そうってことに
なったそうです。」
舞香さん電話
「次の土曜日…それで妹さんは
納得してたんですか？」
美波の姉電話
「最初は納得してなかったですけど
私もその場しのぎで
（今、相手の両親の心象悪くしたら
結婚するにしても、反対されるかもよ）
って言ったら、確かにそうかって
一応、聞き入れてた感じです。」
舞香さん電話
「そうですか…一時はもはや
夫の実家にまで
行きそうな勢いでしたけどね。」
美波の姉電話
「そうですね…
それにしても…どうしましょうか。
ご主人、土曜日に
どんな風に話すんですかね。」
舞香さん電話
「…どちらにしろ夫にはもう
妹さんと一緒になる選択は
ないと思いますけど
逆上されないために、
その日に結論出すというより
徐々にって感じじゃないでしょうか。」
美波の姉電話
「そうですか…すいません。
結局私の方で
何も出来てませんよね…
家族の言うことって
あの子全然聞かないので…」
いや今のところ、
世界中の誰の言うことも
聞いてないと思うが。
舞香さん電話
「ひとまず今日のところは
妹さんがどんなことを言っていたのか
それが聞けたので
…ありがとうございました。」
そうして二人は、電話を切る。
けれど美波が何を話していたのか
何を思っていたのかがわかったとて
この先舞香さんが
何をどう出来るわけでもない。
しかしその翌日、
舞香さんの携帯にまた
メッセージが届き
その相手は、鈴木紗栄子だった。
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