登場人物

 

高崎 舞香さん…39歳 今回の主人公。

パート勤めをしており、

4歳の娘(日菜ちゃん)がいる。

相談相手は実のお姉さん。

 

 高崎 誠……40歳 舞香さんの夫。

ある日突然、好きな人がいるから

離婚したいと舞香さんに告げる。

相手は同じ部署の(藤沢美波)という女性。

 

鈴木紗栄子…土曜日の夕方、舞香さんたちの家に

突然やってきた。

 

ユリ…23歳。紗栄子の突撃で判明した。実家暮らし。

 

 

 

朝8時。

 

リビングで寝ていた

舞香さんとお姉さんのところに

隣の部屋から誠が

突然青白い顔でやってきて

 

誰からかわからない電話を

無言で押し当ててきた。

 

 

 

舞香さん電話

「はい・・・」

 

 

 

出たかったわけじゃないが

条件反射で出てしまう。

 

 

 

 

電話の相手

「高崎誠さんの、奥様でしょうか。」

 

 

 

 

舞香さん電話

「・・・え、、、」

 

 

 

ずっと立ちすくんでいる誠を

座ったまま下から見つめながら

舞香さんは怪訝な顔をする。

 

 

 

声の感じから行くと、5・60代の

女性といった感じだろうか。

 

 

 

 

・・ということは、、

 

 

 

 

舞香さん電話

「あの、、どちら様でしょうか。」

 

 

 

 

 

電話の相手

「児島ユリの母親です。」

 

 

 

 

 

あぁ、やっぱり。

 

 

 

 

けれど、わかった風には話せない。

 

 

 

 

 

舞香さん電話

「児島さん、、ですか?」

 

 

 

そのやりとりの間

舞香さんがお姉さんに目配せをすると

お姉さんが日菜ちゃんを抱っこして

隣の部屋に連れて行ってくれた。

 

 

そこで舞香さんは

スピーカーボタンを押す。

 

 

 

 

 

児島ユリの母電話

「はい、そうです。

 

 奥様は、ユリとご主人のことは

 ご存知なんでしょうか。」

 

 

 

 

舞香さん電話

「…あぁ、、いえ、、昨日なんとなく

 突然知ったんですけど

 私もまだ何が何だか、、、」

 

 

 

朝から頭も回っていないのに

突然こんな電話がかかってきて

何をどう答えたらいいのか

全然わからない。

 

 

なんでこんな時間に、、、

 

 

 

児島ユリの母電話

「本当ですか!奥様も本当は

 知ってたんじゃないですか?!」

 

 

 

 

舞香さん電話

「え?なんでですか。

 知らなかったですよ。

 

 というか今だって私は

 何が起こってるのか

 全然わからないんです。」

 

 

 

すると

 

 

 

児島ユリの母電話

「だからうちのユリが

 こんなことになるんです!!

 

 あなたのせいで」

 

 

 

 

へ?

 

 

今、なんて言った???

 

 

 

アナタノセイデ???

 

 

 

ワタシノセイ?

 

 

 

 

ワタシノセイ、、、

 

 

 

 

 

って

 

なんやねん!

 

 

 

 

舞香さん電話

「・・どういう意味ですか?

 どうして私のせ、、」

 

 

 

 

児島ユリの母電話

「あなたがご主人のことを

 ちゃんと見てないから!

 ユリはこんな、、こんな目に!!」

 

 

 

 

舞香さん電話

「あの、、私のせいですか?

 

 お嬢さんは、夫が結婚してると

 知らなかったんですか?」

 

 

 

 

舞香さんは、誠を睨みつける。

 

 

 

「知ってたよ!!

 

 出会った時にちゃんと

 伝えてたから!」

 

 

 

 

児島ユリの母電話

「ユリは知らなかったと言ってます!

 騙されて、洗脳されて

 怖かったと!!

 

 これは犯罪ですよね!

 警察に訴えます!」

 

 

 

「ちょっと、なんでですか!

 じゃあ本人に代わってください!

 騙されて洗脳って、、

 

 やりとりの証拠もあります!

 彼女から誘ってきた証拠も!」

 

 

 

児島ユリの母電話

「だからそれが、あなたに言われて

 怖かったからやったと言ってます!

 もう男の人が怖くて

 外に出れないと言っています!

 

 このままじゃあ仕事もいけないんですよ。

 どうしてくれるんですか!!」

 

 

 

電話の向こうで、

見ず知らずの夫の不倫相手の母親が

凄い勢いで叫んでいる。

 

 

 

もう本当に、なんなの、これは。

 

 

 

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