登場人物
高崎 舞香さん…39歳 今回の主人公。
パート勤めをしており、
4歳の娘(日菜ちゃん)がいる。
相談相手は実のお姉さん。
高崎 誠……40歳 舞香さんの夫。
ある日突然、好きな人がいるから
離婚したいと舞香さんに告げる。
相手は同じ部署の(藤沢美波)という女性。
鈴木紗栄子…土曜日の夕方、舞香さんたちの家に
突然やってきた。
ユリ…23歳。紗栄子の突撃で判明した。実家暮らし。
舞香さんのお姉さんは結局、
泊まってくれることになった。
もちろん姉のご主人の承諾を得て。
それは、誠に言われたからではなくて
舞香さんのことが心配だったし
どうせ家に帰っても
ずっと舞香さんとLINEのやり取りになるので
それならもうこのまま家にいて
夜通しとことん話を聞こうと
思ってくれたそうだ。
誠は、ほかほかした体のまま
日菜ちゃんが寝ている寝室の方へ行った。
舞香さん
「何?さっきの言い草。
全部自分が蒔いた種なのに。」
舞香さんの姉
「・・いつも、ああいう感じなの?」
舞香さん
「いや、無神経なところは
多々あったとは思うけど
こんなに何でもかんでも腹が立つような
そんな言い方されたことは今まで
ほとんどなかったと思う・・・」
舞香さんの姉
「フゥン、、やっぱり不倫って
人を狂わせるのかな。
不倫してる男って
奥さんからしたら「あなた誰?」
状態になるって言うからさ。
それより、紗栄子から返信あった?
私気になってたんだけど
誠に相手の母親から連絡来るってことは
・・紗栄子が誠の携帯番号
教えたってことでしょ。」
誠が聞いているとは思えないが
なんとなく、ヒソヒソと話す2人。
舞香さん
「確かにそうだね、、
紗栄子って、グレーなところスレスレか
もはやダメなラインのことばっかり
やってるんだね。
・・あ、返信来てないや。」
舞香さんの姉
「ねぇ、近いうちに
ユリの母親から連絡って
まさかこの家の住所教えられたり
してないよね?」
舞香さん
「それはないでしょ!
え?ありえるの?」
舞香さんはすぐに
「他人の家の住所を教える 違法か」
と検索してみたが
どうやら違法だそうだ。
舞香さん
「さすがに、突撃はしてこないよ。」
2人はそんな話をしながら
リビングに布団を敷いて
ああでもない、こうでもないと
それからもしばらくずっと話をしていたが
いつの間にか眠ってしまっていた。
◆
翌日。
一番早く起きたのは日菜ちゃんだった。
早朝に目が覚めたら
隣にいたのはパパだけで
ママがいないことに驚いて
泣きながらリビングにやってきた。
そこで、お姉さんと並んで眠る
舞香さんを見つけて
日菜ちゃんはママの隣に
ピッタリと寄り添ってまた寝てしまった。
朝8時。
目は覚めていたがまだ
なかなかスッキリとは布団から出られず
リビングに並んで寝ていた
舞香さんとお姉さんは
何を話すともなく、布団の中で
ゴロゴロ状態だったが
「えっ」
誠の声が聞こえて、
2人は慌てて体を起こす。
舞香さん
「・・・何、、、誠
誰かと電話してる?」
日菜ちゃんが起きないように
ヒソヒソとお姉さんに話しかける。
舞香さんの姉
「なんか、そんな感じする、、
ねぇ、母親じゃない?!!」
舞香さん
「こんな朝早くに?!」
舞香さんの姉
「こんな朝早く、だから
他に誰も思いつかないでしょ。
こんな時間に電話してくる人。」
舞香さん
「・・・・・・
確かにそうだけど・・」
そんなことを話していたら
その2・3分後
がらっ
誠
「・・・・・」
誠が、青い顔をして立っている。
舞香さん
「・・どうしたの。」
一応聞いてみる。
誠
「・・・・・・・奥さんに
代わってくれって。」
舞香さん
「・・・・・・誰が。」
誠さん
「・・・・・・・・・」
誠は、黙ったまま近づいて
舞香さんに無言で
携帯を押し付けるように渡した。
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