登場人物

 

高崎 舞香さん…39歳 今回の主人公。

パート勤めをしており、

4歳の娘(日菜ちゃん)がいる。

相談相手は実のお姉さん。

 

 高崎 誠……40歳 舞香さんの夫。

ある日突然、好きな人がいるから

離婚したいと舞香さんに告げる。

相手は同じ部署の(藤沢美波)という女性。

 

鈴木紗栄子…土曜日の夕方、舞香さんたちの家に

突然やってきた。

 

 

 

鈴木紗栄子はどうも、誠から

聞いている話と違うことが多いと

少しずつ気づいている。

 

 

途中で気が付かないなんて

どうかしている、と

客観的には思うけれど

当事者にはわからないだろう。

 

 

 

さて

 

 

鈴木紗栄子

「何度もカカオしたのに」

 

 

 

これには、

突っ込まないわけにいかない。

 

 

 

舞香さん

「カカオって、、、

 

 どうしてLINEじゃ

 ダメだったんですか。」

 

 

 

 

鈴木紗栄子「あ、、、」

 

 

 

突っ込まれてやっと、

ヤバっという顔をした。

 

これには隠し事をしているという

自覚があるらしい。

 

 

 

 

舞香さん

「今更そんな顔されても困るので

 質問に答えて欲しいんですが

 

 どちらが、このやり方で

 連絡を取り合おうって

 言い出したんですか。」

 

 

 

鈴木紗栄子

「・・誠さんです。」

 

 

 

 

舞香さんが、誠を強い目で見つめる。

 

 

 

 

「別に、、何を使って連絡したって

 いいだろう・・」

 

 

 

 

まぁ、そもそも何を使って連絡したって

不倫は不倫だが、そんなことは今

この人たちに伝わるはずなどない。

 

 

 

 

舞香さん

「確かにこうなった今となっては

 連絡を取り合うツールなんて

 なんでもいいですけど

 

 つまり紗栄子さん、

 夫は私に隠れてこそこそと

 あなたと連絡を取り合いたいと

 そこまでして私と繋がってたいの?

 なんて、

 

 解釈してるかもしれませんけど

 

 私の予想では、

 こそこそしたいのは

 私にじゃなくて

 紗栄子さんにだったんだと思います。」

 

 

 

 

鈴木紗栄子

「・・私に、こそこそですか??

 どういう意味ですか。」

 

 

 

ふぅ。

 

 

さてそろそろ、

ここら辺から彼女の方にも

ぶっ込んでいかなければね。

 

 

 

 

 

舞香さん

「あの。ちなみに紗栄子さんは

 リップはどこのメーカーのものを

 使っているんですか。」

 

 

 

「なんだよ急にその質問。」

 

 

 

鈴木紗栄子

「??

 

別に、、、特にこれって

 決めているものはないです。」

 

 

 

 

舞香さん

「でも、多少はありませんか?」

 

 

 

鈴木紗栄子

「・・・あるとは思いますけど

 どこのメーカーって別に、、

 

 

 ・・・あぁ、、

 

 

 なるほど。」

 

 

 

 

 

 

紗栄子がまた、バカにしたように笑う。

 

 

舞香さんとお姉さんが目を合わせる。

 

 

やっぱりあのマーキングは

あの巾着袋に入っていたリップと

キスマークは、鈴木紗栄子のものか。

 

 

 

 

舞香さんの姉

「自分の痕跡を残すのに

 わざわざ夫ではなく

 妹にだけ、教えたかったんです?

 

 それとも確実に見つけさせて

 喧嘩でもさせたかったですか?」

 

 

 

 

鈴木紗栄子

「別に、深く考えてないですけど

 奥さんにそれを報告されたら

 誠さんは私に、

 なんて報告するのかなって

 思っただけです。」

 

 

 

 

すると今度は舞香さんが

クスッと笑う。

 

 

 

 

舞香さん

「報告????それは、、

 

 

 たとえ私が報告したとして

 紗栄子さんには

 報告しないかもしれませんよ。」

 

 

 

鈴木紗栄子

「はい?なんでですか。」

 

 

 

舞香さん

「最初から言おうと思ってましたけど

 

 

 紗栄子さんはなんか

 勘違いされてますね。

 

 夫は私とさえ別れてくれたら

 あなたの元に行くと

 本気で思ってましたか?」

 

 

 

 

鈴木紗栄子

「・・・どういう意味でしょうか。」

 

 

 

 

舞香さん

「夫の本命は、あなたではないし

 まぁ、私でもないでしょうね。

 

 夫が私にちゃんと話してくれたのは

 あなたではない

 

 別の女性のことですから。」

 

 

 

 

 

鈴木紗栄子が、秒でフリーズしていた。

 

 

 

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