登場人物

 

高崎 舞香さん…39歳 今回の主人公。

パート勤めをしており、

4歳の娘(日菜ちゃん)がいる。

相談相手は実のお姉さん。

 

 高崎 誠……40歳 舞香さんの夫。

ある日突然、好きな人がいるから

離婚したいと舞香さんに告げる。

相手は同じ部署の(藤沢美波)という女性。

 

鈴木紗栄子…土曜日の夕方、舞香さんたちの家に

突然やってきた。

 

 

 

舞香さんたちが住んでいるのは

都内のタワーマンション。

 

リビングの窓がとても大きくて

朝はスカッとした気持ちになれるし

夜は夜景がとても綺麗だ。
 

 

 

鈴木紗栄子

「こんなところに

 住まわせてあげてるのに

 いつも僕はお小遣い制だから

 お金がないって・・

 

 奥さんがパートなのは、

 子育てだけしたくないから

 息抜きと気分転換に

 行ってるだけだって。」

 

 

 

 

舞香さんの姉

「って、言ったんですね?誠が。」

 

 

 

誠は腕を組んで、黙っている。

もう言葉を遮ることも、諦めた様子。

 

 

だってそういえば誠は多分今、

紗栄子のことをさほど好きではない。

 

二股だったとして、

美波の方が好きなんだろう。

 

 

 

じゃあ、色々と教えてあげないとね。

 

 

 

 

鈴木紗栄子

「言いました、ここにきた時に

 ベランダでワインを飲みながら。」

 

 

 

ほー、そんなことまでしてたのか。

 

聞いたらなんでも教えてくれるな。

 

 

 

 

舞香さんの姉

「それで、もし妹と誠が別れたら

 そのあと自分がこの家に住めるって

 思ってたんですね。」

 

 

 

鈴木紗栄子

「・・・それは、、」

 

 

 

 

舞香さんの姉

「思ってたでしょうよ。」

 

 

 

 

すると、舞香さんもたまらず参戦する。

 

 

 

舞香さん

「残念ですが、ここは夫の名義では

 審査落ちたんです。

 年収的には問題なかったですけど

 でも、落ちました。

 

 こういうマンションは、

 ちょっとくらい年収だけ高くても

 入れないんですよ。

 信用が大事なので。

 

 だからもしあなたがこの夫と

 一緒に暮らしたいのなら

 今の年収からさらに

 養育費と慰謝料を支払って

 その残りで暮らせるところで

 暮らすことになります。」

 

 

 

鈴木紗栄子

「・・別に私は、、

 

 このマンションだけに

 惹かれたわけじゃないので・・」

 

 

 

舞香さん

「そうですか?でも紗栄子さん。

 今後結婚することがあるなら

 考えた方がいいですよ。

 

 お金って男女問わず

 稼いだ分使う人もいますよね。

 

 夫として選ぶなら

 1000万円稼いで、1100万円使う人

 500万円稼いで、300万円使う人

 どっちがいいですか?」

 

 

 

鈴木紗栄子

「それは、、そりゃあ

 残してくれる方がいいですけど

 お小遣い制ならある程度

 奥さんがうまくやりくりして財布の紐を

 握ればいいだけの話ですよね。」

 

 

 

舞香さん

「はい、そういう人と結婚したら

 握ればいいと思います。

 

 でも誠は違いますよ。

 稼いで来たお金は全部

 自分で持っていたいタイプなので

 こっちが決まった生活費をもらって

 やりくりするんです。

 

 でも私はそれに

 不自由はなかったですし

 不満もなかったです。

 

 あと、言っておきますが

 私がパートに行ってるのは、

 好きな仕事だからです。」

 

 

 

 

鈴木紗栄子

「・・・

 

 

 

 聞いてる話と

 全然違うんだけど」

 

 

 

 

紗栄子が膨れた顔をして

誠を見つめる。

 

 

 

 

 

「だから、、もういいだろ、、

 

 勝手に来るから

 こんなことになるんだよ、、」

 

 

 

 

 

鈴木紗栄子

「勝手にって、

 話してくれないからでしょ?

 何度もカカオしたのに」

 

 

 

 

 

・・・・・

 

 

 

 

あっ、

 

 

カカオ。

 

 

 

 

 

こっちは、美味しくなるカカオ。

 

 

 

 

 

 

まだまだいっぱい話したいことがあるのに

話すたびに突っ込みたいこと増やすの

やめてくだらないかしら、お嬢ちゃん。

 

 

 

 

 

 

 

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