登場人物
高崎 舞香さん…39歳 今回の主人公。
パート勤めをしており、
4歳の娘(日菜ちゃん)がいる。
相談相手は実のお姉さん。
高崎 誠……40歳 舞香さんの夫。
ある日突然、好きな人がいるから
離婚したいと舞香さんに告げる。
相手は同じ部署の(藤沢美波)という女性。
鈴木紗栄子…土曜日の夕方、舞香さんたちの家に
突然やってきた。
鈴木紗栄子と名乗る女性は
舞香さんに促され玄関の中に入る。
しかし誠は、何やら叫びながら
歩いて行ってしまった。
追いかけるつもりなどない。
今聞きたいのは、この女性が
どうしてこの家にやってきたか。
バタン
玄関の扉が閉まり
紗栄子が靴を脱いでいると
バタン
すぐにその扉が開いて、誠が入ってくる。
舞香さん
「どこか行くんじゃなかったの?」
むしろいない方が
話がスムーズな気がするんだが。
誠
「日菜がいるんだ。何かあったら困る。」
そう言って自分だけ
さっさと家の中に入った。
確かに。
簡単に家に入れてしまったが
こんな見知らぬ女性
もし変な気を起こしていて
包丁でも持っていたら怖い。
安易に家に招き入れるなんて
やっぱり自分は冷静ではないのかも、、
舞香さんは思った。
鈴木紗栄子
「何かあったらって、、
酷い言い方・・」
部屋に入り
紗栄子がダイニングの椅子に座り
少し離れたソファーに誠が座っている。
舞香さんは隣の部屋で
聞き耳を立てていたお姉さんと
日菜ちゃんの様子を見るために
一瞬隣の部屋を開けたが
大丈夫大丈夫、と
ヘッドフォンをして
動画に夢中になっている
日菜ちゃんの横で、OKサインを出していた。
本当に、姉が来ている日でよかった。
すぐにキッチンに戻り、コーヒーなど
淹れる準備をしながら
チラリと紗栄子の目つきを確認するが
狂気的とか、目がすわっているとか
何をしでかすかわからない、みたいな
おかしな雰囲気があるわけではなかった。
むしろなんか、堂々としている。
誠
「・・コーヒー飲んで落ち着いたら
帰って欲しい。
もうすぐ娘の寝かしつけもあるから。」
大体寝かしつけるの、舞香さんだが。
鈴木紗栄子
「…飾ってある家族写真
いつもは隠してたんだね。」
リビングに置いていた写真を見て
紗栄子が吐き捨てるように言う。
誠
「・・・・・・」
コーヒーを淹れながら舞香さんは内心、
心臓の鼓動が速くなっているのを感じる。
水を一口飲んでまた、よしっと
気合を入れる。
舞香さん
「…どうぞ。」
コーヒーを差し出して
紗栄子の目の前に座る。
今日、出かけた後でよかった。
すっぴんで過ごす土曜日もあるが
今は化粧をしている。
そんなことを考える。
鈴木紗栄子
「あの、、奥さんは、、
いつまでこちらの家に
いらっしゃるんでしょうか・・」
は?何を唐突に。
誠
「ちょっと、そういう話
俺にしたらいいだろ。」
舞香さん
「あなたは黙ってて!!!
・・・・それは、
どういう意味でしょうか。」
鈴木紗栄子
「初めて誠さんにこの家に招待された時
私は、、家族の雰囲気を感じてしまって
やっぱり、、結婚してる誠さんとは
付き合えないって言ったんです。」
舞香さん
「・・・・」
たった数行の言葉なのに
すでに突っ込みたいことが
溢れてくるよ。
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