登場人物

 

高崎 舞香さん…39歳 今回の主人公。

パート勤めをしており、

4歳の娘(日菜ちゃん)がいる。

相談相手は実のお姉さん。

 

 高崎 誠……40歳 舞香さんの夫。

ある日突然、好きな人がいるから

離婚したいと舞香さんに告げる。

相手は同じ部署の(藤沢美波)という女性。

 

 

 

 

舞香さんは、仕事の用で

メールの返信をしないといけない

と言って隣の部屋に移った。

 

 

 

「お姉さんはいいんです。

 僕が洗いますよ!!」

 

 

 

誠は、自分が洗い物をすると言って

立ち上がる。

 

 

 

舞香さんの姉

「あー、そしたら誠くん

 申し訳ないんだけど

 少し携帯貸してもらえない?

 

 日菜に見せたい

 インスタの動画があるの。

 

 動物系なんだけどさ、

 日菜がそういうのすごく好きだって

 舞香から聞いてて、探したの」

 

 

 

「あぁ、いいっすよ。

 わざわざありがとうございます。」

 

 

 

誠はニコニコしながら

携帯のロックをすぐに外して

お姉さんには

インスタグラムの画面を開いて

携帯を渡してくれる。

 

 

これが舞香さんだったら

絶対に警戒して貸してくれないが

お姉さんにはさらっと渡してくれた。

 

 

 

舞香さんの姉

「日菜ーこっちおいでー。

 ねーねと一緒に、

 面白い動物さんの動画見よう。」

 

 

 

 

日菜ちゃん

「えっ、見る見るー! ちょっと待ってー

 日菜、おててばっちいから

 手洗ってくるー!」

 

 

 

なぜか日菜ちゃんが

クレヨンを握りしめていたので

その手を洗いに行ったようだ。

 

 

 

 

舞香さんの姉

「ねぇ誠くん、先に聞いておくけど

 これって見る専用のアカウント?」

 

 

 

その間にお姉さんが、まことに話しかける。

 

 

 

 

「はい、俺インスタとかそういうの

 時々人のを見たりはするんですけど

 自分では、疎くて全然やらないんで。」

 

 

 

舞香さんの姉

「そっか、なら大丈夫か。

 この画面の中で

 検索してみるだけだから

 変なボタン押したりはしないけど

 

 一応、裏アカウントとかあったら

 まずいのかなって思って(笑)」

 

 

 

 

「あるわけないじゃないですか(笑)」

 

 

 

 

舞香さんの姉

「そうなの?あっても舞香には

 内緒にしておいてあげるから(笑)」

 

 

 

「ないっす!(笑)」

 

 

 

 

舞香さんの姉

「まぁ、実は私も疎いからそういうの 

 全然わからないけど(笑)

 

 

この会話も、お姉さんのジャブだ。

 

これくらい言っておけば

誠はさらに警戒しないだろう。

 

 

 

日菜ちゃんが手を洗って戻ってきたので

お姉さんは2人で

リビングにおいてあるクッションに

ごろんとしてみる。

 

そして、仰向けで携帯を見せる。

 

(こんな感じ)

 

 

 

これなら誠からは画面が見えないし

携帯を操作していても誠の目には

検索している風にしか映らないし

 

洗い物をしている誠の耳には

水道音でこちらの音が聞こえない。

 

 

 

舞香さんのお姉さんはまず

本当にインスタグラムで

いくつかほっこりするような

動物の動画を見せる。

 

 

 

日菜ちゃん

「わーー!!可愛い!!」

 

 

舞香さんの姉

「ねっ、ワンちゃんが驚いてるね!」

 

 

 

日菜ちゃん

「おもしろーい。」

 

 

 

舞香さんの姉

「じゃあ、ちょっと待ってね。

 次の動画検索するね」

 

 

 

そう言ってお姉さんは一瞬で

携帯のトップ画面を出す。

 

 

LINEのアプリは、

すぐに目につくところにある。

 

 

タップすると、一番上が舞香さん。

舞香さんのLINEは

固定で一番上に来るように

設定されている。

 

 

(パッと見では、美波の名前も

 他に女性っぽい名前もないな・・

 男性の名前に変えてあるだけ?)

 

 

と思っても、ゆっくり探す暇はないので

お姉さんはすぐにまた

インスタグラムに戻って

日菜ちゃんに幾つか動画を見せる。

 

 

その繰り返しを何度かしている間も

日菜ちゃんはきゃっきゃと

楽しそうにしてくれるので助かるが

 

 

4回くらい、そんなラリーを繰り返した時

 

 

舞香さんの姉は気づいた。

 

 

 

 

 

・・・LINEじゃない。

 

 

カカオトークの

アプリが入っていることに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー