登場人物

 

高崎 舞香さん…39歳 今回の主人公。

パート勤めをしており、

4歳の娘(日菜ちゃん)がいる。

相談相手は実のお姉さん。

 

 高崎 誠……40歳 舞香さんの夫。

ある日突然、好きな人がいるから

離婚したいと舞香さんに告げる。

相手は同じ部署の(藤沢美波)という女性。

 

 

 

お風呂に入って、

さっぱりした顔で出てきた誠。

 

 

自分で冷蔵庫に行き、

ビールを片手に席に座る。

 

 

 

「日菜ってさ、ほんと可愛いよな。」

 

 

 

舞香さんは黙って、

あったかいお味噌汁とご飯

野菜炒めなどを次々と出す。

 

 

 

「おー、美味そう。」

 

 

 

しっかり録音している。

 

 

 

「土曜日、公園に行くって

 約束したけどさ

 水族館のほうがいいかな。」

 

 

 

舞香さん

「日菜が行きたい方に

 連れて行ってあげて。」

 

 

 

「ま、そうだよな。」

 

 

 

誠はテレビを見ながら

夕飯を食べ始めたので

その間舞香さんは、

ある程度の洗い物を済ませる。

 

 

そして

 

 

 

舞香さん

「あのさ、日菜と水族館とか

 行くのはいいけど、私と離婚したら

 日菜といつでも会えるって思ってる?」

 

 

 

「え?なんだよ急に。」

 

 

 

まだ、テレビから目は逸らさない。

 

 

 

 

舞香さん

「別の人と付き合っていくなら

 結婚して子供が産まれるってことも

 考えられるでしょ。

 

 相手が若いなら尚更。」

 

 

 

「子供なんか、

 考えてないよ。」

 

 

 

舞香さん

「相手もそう思ってる?」

 

 

 

 

「そんなの知らないよ。」

 

 

 

 

舞香さん

「知らないって?

 

 いずれはそうなることもあるでしょ。

 もし子供が出来た時は

 日菜も今よりもう少し大きいんだから

 複雑な気持ちになるよ。」

 

 

 

 

「言わなきゃいいだろ、そんなの。

 

 っていうか俺は

 もし再婚したとしてもほんと

 子供なんか考えてないから。」

 

 

 

2度もそう言ってくれたので

しっかり証拠に残せた。

 

 

 

舞香さん

「そんなの、絶対出来ないとは

 言い切れないじゃない。」

 

 

 

すると、やっとテレビから目線を

舞香さんに移す。

 

 

 

 

「絶対ないって。

 

 俺の子供は日菜だけでいい。」

 

 

 

 

でも、美波のことが好きなんだね。

 

 

 

と聞きたかったが

録音に残したくないのでやめた。

 

 

 

 

舞香さん

「・・・あなたが日菜のこと

 可愛がってくれてるのはわかる。

 

 だから、その生活を捨ててまで

 離婚したいっていうなら

 私も考えるから。」

 

 

 

「その生活を捨ててまでって、、」

 

 

 

舞香さん

「だってそうでしょ。

 

 基本的に条件は

 私のいう通りにしてくれるんだよね。」

 

 

 

 

「・・なんだよ。

 

 俺はあくまでも一般的なって

 言ったよな・・」

 

 

 

舞香さん

「そうだよ。だけど知ってる

 あなたは有責配偶者なんだから

 あなたの思うようにはならないから。」

 

 

 

「・・・そんな、

 犯罪者みたいな言い方するなよ。

 

 離婚なんて今時

 経験してる人だらけだろ?

 

 俺は別に、舞香のことも

 嫌いになったわけじゃないし

 日菜のことは一生大事にしたい。

 

 だから養育費だって、、」

 

 

 

舞香さん

「そういう話は、

 お相手とちゃんとしてる?

 

 特に、あなたが今後

 子供を持つ気がないとして

 それでも相手はあなたと

 結婚したいって思うかな。」

 

 

 

「思うだろ、俺さえいれば

 子供もお金もなくていいって

 そういう人なんだから。」

 

 

 

舞香さん

「フゥン。」

 

 

 

舞香さんはそう言って、

誠が食べ終わった茶碗を持って

立ち上がった。

 

 

 

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