登場人物

 

舞香さん…39歳 今回の主人公。

パート勤めをしており、

4歳の娘(日菜ちゃん)がいる。

 

誠……40歳 舞さんの夫。

ある日突然、好きな人がいるから

離婚したいと舞香さんに告げる。

 

 

 

誠の引き出しの中から

同じ会社の、しかも同じ部署の

女性の名刺が出てきた。

 

 

 

舞香さんビデオ通話

「藤沢 美波、、

 

 綺麗な名前ですね。」

 

 

 

舞香さんの姉ビデオ通話

「何感心してるのよ。」

 

 

 

舞香さんビデオ通話

「いや、感心じゃなくて感想・・・

 

 ここに名刺があるからって

 不倫相手とは

 限らないかもしれないけど・・」

 

 

 

舞香さんの姉ビデオ通話

「いや、そしたら普通に

 名刺入れに入れるでしょ。

 

 っていうか同じ部署の人の名刺

 いらないでしょ。」

 

 

 

舞香さんビデオ通話

「・・そうなんだけどさ・・」

 

 

 

それから他のところを

ひとしきり探ってみたが

机の中にはもう、何も残ってなかった。

 

 

 

私ビデオ通話

「・・・あの、探すのは

 今日じゃなくてもいいですけど

 ご主人って昔の携帯とか 

 残しておく方ですか?」

 

 

 

舞香さんビデオ通話

「・・・えぇと、、どうでしょう。

 確かにあったような気もしますけど

 気にしたことなくて・・」

 

 

 

私ビデオ通話

「単純に機種変した時に

 その携帯を捨てるに捨てられず

 家に置いたまま

 っていう人沢山いるんですけど

 

 機種変がここ1年くらいのものなら

 昔のやりとりとか

 残ってないかなって思って・・」

 

 

 

舞香さんビデオ通話

「夫は新しいものに

 そんなに興味がないタイプなので

 機種変とか滅多にしないんです。

 

 もししてたとして、

 パスワードとか

    全くわからないですし・・」

 

 

 

舞香さんはこれまで本当に

ご主人のことを、何の疑いも持たず

信頼してきたのだろう。

 

 

 

私ビデオ通話

「そうですか。まぁでも、

 真面目そうな方とか

 そんなことしなさそうな人が

  

 むしろちょっとした誘惑に負けて

 本気になってしまうことは

 世の中あるみたいなので

 

 新しい携帯を隠し持ってないのか

 そのあたりは気が向いたら

 確認してみてください。」

 

 

 

私はなんとなく、

やんわりのんびり伝えた。

 

 

舞香さんのお姉さんが

言いたいことはズバズバ言ってくれるので

ズバズバ姉さんが2人もいたら

今はきっとしんどいだろう。

 

 

 

舞香さんビデオ通話

「わかりました。

 

 ・・それで・・・

 

 これからどうしたらいいでしょう。

 名前とか電話番号は

 わかりましたけど・・・

 

 まだ相手にかける勇気はないですし

 かけたところでそれがバレたら

 夫が逆上するだろうなって思いますし

 それじゃあもう、

 もっとグチャグチャになりそうで・・」

 

 

 

私ビデオ通話

「そうですね。

 

 

 まずは舞香さん、今日はすごく

 精神的に疲れたと思うので

 一旦休みませんか?

 

 それとも、動いていた方が

 気が楽ですか?」

 

 

 

舞香さんビデオ通話

「・・ほんとはすぐにでも

 行動に移した方が

 いいと思うんですが・・・

 

 今、いろんな気力がなくて・・

 

 なんていうか、

 真実を知るのが怖いっていうか・・

 

 でももちろん知りたいから

 こうして引き出しも 

 開けるんですけど

 

 お姉ちゃんやパンダさんがいないと

 何の思考も働きません・・

 

 ごめんなさい・・

 ごめんなさい・・・」

 

 

 

 

舞香さんが、悪いわけがない。

 

 

 

またこうして暗いトンネルの中に

傷ついた女性がぽんと

投げ出されてしまった。

 

 

 

何か、考えなくちゃ。

 

 

 

 

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