登場人物
舞香さん…39歳 今回の主人公。パート勤めをしており、
4歳の娘(日菜ちゃん)がいる。
誠……40歳 舞さんの夫。
ある日突然、好きな人がいるから
離婚したい告げる。
お花畑脳の誠。
夫がこんなバカなことを
ずっと思っていたのに
毎日の忙しさで全然気が付かなかった。
舞香さんは、それが悔しかった。
舞香さん
「私も独身で、一人暮らしなら
恋愛に全力を注げたわよ。
自分で稼いだお金と時間を
自分だけに使えるんだから。
あなたも相手のことを
わかってないと思うけど
相手はもっとあなたのこと
わかってないのかもね。」
誠
「彼女のことよく知りもしないのに
よくそんなこと言えるな。」
舞香さん
「あなたたちがお互いのことを
ちゃんと全部知ってるとは
思えないから言ってるの。
・・・いいわよね。
自分のいいところだけ
見せ合える関係って。楽で。」
誠
「もう、今更何を言っても無駄だよ。
俺は彼女に本気だから。」
舞香さん
「彼女はあなたの状況を
ちゃんとわかってるの?
既婚者ってことも、
子供がいるってことも。」
誠
「もちろん全部話してるよ。
そんな俺を、
受け入れてくれてるんだから。
俺をよくいる不倫男と
一緒にするなよ。」
一緒ですけど?
セオリー通りで、
つまらないですけど?
舞香さん
「よくいる不倫男って
どういう人のことを言ってるの?」
誠
「いつかは離婚するする詐欺。
って言うんだろ。
そういう奴らのことを。
奥さんと離婚する気もないくせに
奥さんの悪口だけを彼女に話して
相手をその気にさせて
元々離婚する気なんて全くない男。
それじゃあ相手のことも
弄んでるだけじゃないか。
奥さんのことも
愛してるふりして騙してるし。
そんなの、最低だよな。」
舞香さん
「・・・ずっと聞いてるとあなたって
自分のことホントに
微塵も間違ってるなんて
思ってないんだね。
ある意味すごいよ。」
誠
「もちろん勝手なことしてるっていう
自覚がないわけじゃないから、、
だからある程度
舞香の準備が整うまでは
ここに住んで協力するから。
相手の子にもそれだけは
理解してもらってるから。」
・・・いったいこの男はずっと
何を言っているのだろう。
もうこれ以上は無理だ。
あとは自分でなんとか動いて
相手のことを突き止めたい。
急にこんなこと言われて
舞香さんだって、じゃあ離婚ねと
受け入れられるはずはない。
だってつい昨日まで、
普通に家族をしていたのだから。
誠は家のことはほとんどやらないし
喧嘩することもあったけれど
子供のことは本当に可愛がっていたし
お互いの親の関係も良好だった。
だからそれで離婚したいなんて
思ったこともなかった。
舞香さん
「ちょっと、、考えさせて、、」
誠
「わかった、、
風呂入ってくる。」
誠はそう言って、
携帯を握りしめたまま
お風呂に入った。
きっと今頃LINEで
(やっと妻に打ち明けたよ!)
なんてことを伝えて
盛り上がっているのだろう。
舞香さんはぼんやりと
マンションから見える
夜景を見つめていた。
ーーーーーーーーーーーーーー