登場人物
舞香さん…39歳 今回の主人公。パート勤めをしており、
4歳の娘(日菜ちゃん)がいる。
誠……40歳 舞さんの夫。
ある日突然、好きな人がいるから
離婚したい告げる。
最もらしいことを並べ
離婚したいと
自分の主張だけを伝える誠。
しかも親に相談されるのは嫌らしい。
舞香さん
「うちの両親やお義母さんに
相談されるのが嫌なら
まず、相手のことを話して。
自分はちゃんと話してるって言うなら
それくらい言えるでしょ?」
もう30分もこんなことを話して
すごく疲れてきたが、
それでも聞かずにはいられない。
誠
「・・・・わかったよ。
じゃあ言うけど、、
・・・連絡しないでよ。」
舞香さん
「・・・・・・・」
そんなことは、
約束出来るわけがないが
ハッキリ言うとまた夫が
口をつぐんでしまいそうだったので
しばらく黙ってみた。
誠
「会社の人だよ。」
舞香さん
「・・・・・・・・・・
それは、、、上司?部下?」
誠
「そこまで言わないといけない?」
舞香さん
「質問には全部答えて!」
誠
「舞香のそういう
人を責めるような言い方が
苦手なところなんだよな、、、
俺だけじゃなく子供に対してとかさ
俺はもっと家庭に
癒しを求めてたんだよ。
毎日もっと、
笑顔でいて欲しかった。」
そのセリフも、舞香さんを傷つける。
そんなことが毎日出来るなら
こっちがそうしたい。
舞香さん
「笑顔とか癒しって言うけど、
あなたは子供が寝た
20時すぎに帰ってきて
土日の機嫌がいい時に
遊んでるだけだよね。
私はパートで働いて、
パートのない平日はお昼から
子供の習い事のお迎え。
帰ってきたらご飯の準備と
子供のことで1日が終わるの。
あなたは洗濯機1つも回さないし
洗い物だってしたことないでしょ。
癒されたいなら
あなたも協力してよ!」
誠
「そんなこと、前は言わなかったよ。
結婚して舞香、
どんどんキツくなるんだもんな。
もう無理だよ。
今の相手はいつも笑顔で
俺さえ元気でいてくれたらいいって
そう言ってくれるんだぞ。
そんな人、もう他には
出会えないって思ってる。
いつも俺のことを
心から包んでくれるっていうか
細かいことも言わないし
正社員で仕事もしてるのに
気持ちに余裕がある人なんだ。」
あぁ、、反論するのもしんどい。
舞香さん
「その人、結婚したことある?
子供はいるの?」
誠
「いないけど、まだ若いから。」
舞香さん
「ということは、部下なのね。」
誠
「そっ、そんなことは
別に今関係ないだろう?」
・・図星なんだな。
それにしても、、
結婚して子供が出来て
自分も働いていて
夫が家のことを
何も手伝わなくても
ずっと笑顔でいられる人なんて
この世にいるのだろうか。
少なくとも舞香さんは
そんな女性は1人も知らない。
そしてパンダも、1人も知らない。
この男、
世間知らずなのか。
アンポンタンなのか。
でもお花畑でるんるんるんな人たちは
本気でこういう思考で
結婚したら、こんなはずじゃなかった
なんて
思いつかないんだろうな。
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